CADデータ資産を安全に管理、製造業界向けクラウドサービスの最新版:メカ設計ニュース
NTTデータエンジニアリングシステムズは、製造業界向けクラウドサービス「Manufacturing-Space」の最新版を発表した。「類似形状検索サービス」「オートサーフェスサービス」が強化され、利便性が向上している。
専用ソフト不要、CADデータ資産の社内外共有に最適
NTTデータエンジニアリングシステムズは2019年9月24日、製造業界向けのクラウドサービスの最新版「Manufacturing-Space Version 4.4」の提供を開始した。年間60件の新規契約を目指す。
Manufacturing-Spaceは、ユーザーが保有する3D CADデータなどの各種データを、クラウド上で安全に管理、活用するサービス。専門ソフトウェアをインストールしていないPCからでもCADデータなどを閲覧可能で、データ資産を社内外で共有できる。
今回リリースしたVersion 4.4は、ユーザーの声を反映して、サービスの品質と利便性を向上させた。
Version 4.3から搭載する「類似形状検索サービス」は、Manufacturing-Spaceの管理サービス「データコンシェルジュ」で管理されているデータの中から、AI(人工知能)技術を用いて、検索元の形状と類似したCADデータを検索する機能だ。
検索で見つかった形状データに、過去の見積書や設計データ、コストなどの関連情報があれば、それらを活用することで必要書類がスピーディに作成でき、設計品質も高まる。Version 4.4では、検索条件に「3次元形状の体積」が追加されており、これにより検索の精度とスピードが向上する。
また、3Dスキャナーで測定したデータをCADデータに自動変換する「オートサーフェスサービス」も強化されている。旧バージョンでは、3Dスキャンデータにノイズなどが含まれた場合、CADデータに変換できないことがあった。最新バージョンでは、データ変換時にノイズを自動除去するようにし、その結果、CADデータ変換の成功率が高まった。
類似形状検索サービスには2つのプランがあり、従量課金プランは1回1000円、定額利用プランは月額3万円だ。オートサーフェスサービスは年間契約時の利用料が月額5万円となっている(全て税別)。
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