製造業向けの加工部品調達オンラインサービスを拡充:メカ設計ニュース
ミスミグループ本社は、3Dデータで精密部品を調達できるオンラインサービス「meviy」において、新たに切削プレートの提供を開始した。見積もりから調達に要する時間を従来比80%削減できる。
ミスミグループ本社は2019年3月26日、3Dデータで精密部品を調達できるオンラインサービス「meviy(メヴィー)」において、新たに切削プレートの提供を開始した。
meviyは、機械部品の3DデータをユーザーがWebブラウザ上にアップロードするだけで、部品の製造可否をシステムが自動で判断し、見積もりと納期を即時回答するサービス。今回のサービス拡充により、設備や装置の設計で使用する図面加工品の大部分をmeviyで見積もり発注できるようになる。
新しい切削プレートサービスでは、公差指定や穴加工の指定がWebブラウザ上で可能になる。はめあい公差や穴ピッチ公差など指定箇所に対してミクロン単位で公差指定ができる。穴加工ではタップ穴や精度穴、ヘリサートなどが選択できるため、多様な形状や寸法精度にも対応する。
見積もりは数秒で完了し、数量や材質により価格や納期が変更になった場合も、見積もりを何度でも確認できる。見積もり完了時にはユニークなID番号が付与され、その番号を次回発注時にも利用できるため、手配のリピートや海外拠点からの発注が容易になる。
また、部品が製造困難である場合は、これまでユーザーとサプライヤーの間で何度も確認や修正作業のやりとりが必要だったが、同サービスでは、形状データをアップロードすれば独自のアルゴリズムによって自動的に製造可否を判定する。
対応可能な材質は、炭素鋼、圧延鋼、アルミ、ステンレスなど金属8種類で、今後、樹脂材料も追加される予定だ。表面処理は5種類に対応し、順次拡大する。
受注した部品の3Dデータは、工場の工作機械に直接転送して加工するため、製造リードタイムを大幅に短縮する。従来のプロセスと比較して、見積もりから調達に要する時間が80%削減できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ミスミの部品カタログがデジタル化しまくっていて、もう単純にカタログとかいえない域
ミスミは「第30回 設計・製造ソリューション展(DMS2019)」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)に出展し、同社が提供するサービス「RAPiD Design」および「meviy(メヴィー)」を展示して紹介。近々解禁予定であるmeviyの新サービスも披露した。 - FA商社のミスミが無償の製造ITツールを提供、順次正式サービス開始へ
ミスミは、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」において、設備設計業務向けの無償の製造ITツール群「MISUMI Rapid Design」を紹介した。 - 日本のモノづくりはこれからも強くいられるか
「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes、以下「ダッソー」)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業にかかわる一人としてそこに参加した。 - 3D設計推進者から見た SOLIDWORKS World 2016
機械メーカーで3次元CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回は2016年1月31日〜2月3日に米国で開催された「SOLIDWORKS World 2016」について語る。 - 金型設計支援ソフトウェア「Mold EX-Press」の無料提供を開始
ミスミグループ本社は、プレス金型/プラ型用標準部品カタログに掲載された全ての部品情報と、2次元および3次元CADデータの自動生成機能を備えた金型設計支援ソフトウェア「Mold EX-Press」の無料提供を開始したと発表した。 - 初出展の駿河精機、高速XYステージの技術力や独自のCPSの価値を訴求
精密産業機械メーカーである駿河精機はハノーバーメッセ2018に出展し、高速XYステージなどを含む精密機器の技術力を訴求した他、独自で取り組むサイバーフィジカルシステムの姿をVRなどを通じて紹介した。