ニュース
超微小量センシングデバイスの信頼性評価技術の開発着手:組み込み開発ニュース
NEDOは、未来社会「Society 5.0」の構築に貢献する超微小量センシングデバイスに関して、信頼性評価技術の開発に着手した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2019年9月10日、未来社会「Society 5.0」の構築に貢献する超微小量センシングデバイスに関して、信頼性評価技術の開発に着手したと発表した。わずかな血中成分やウイルス、地盤振動などを検出するデバイスの信頼性向上を加速し、超微小量センシングデバイスの早期の社会実装を目指す。事業期間は2019〜2023年度だ。
超微小量センシングとは、極めてわずかな圧力や濃度などの測定量を「見える化」する技術のこと。ただし、検出素子に到達して反応する超微小な情報を、測定環境やデバイス内のノイズの影響を受けずに計測し、応答するデバイスの信頼性を評価することは難しい。
NEDOは、既にナノテクノロジーやバイオテクノロジーを中心に、超微小量センシングに関する4つの研究テーマを採択し、デバイスの開発に取り組んでいる。今回、評価システムの構築や標準物質の開発など、デバイスの信頼性評価技術開発に着手した。
デバイスと信頼性評価技術の開発を同時に進めることで、仮想空間と現実空間をセンシング技術で融合させるSociety 5.0を早期に確立し、生活習慣病の予兆検知やウイルス感染の拡大防止、防災、減災による安全、安心な街づくりに貢献する新たなサービスの創出を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 有機半導体フィルムの光センサーで放射線のパルス検出に成功
東芝は、有機半導体を用いた高感度のフィルム型光センサーを開発した。シンチレータと組み合わせることで、放射線のパルス検出が可能になる。小型軽量で、曲面状化や大面積化ができるため、工業用や医療用など幅広い分野での利用が期待される。 - バッテリーレスの漏水センサー、漏水で発電して無線で知らせる
エイブリックは、CLEAN-Boost技術を搭載した「バッテリーレス漏水センサー」のサンプル販売を開始した。漏水を利用して発電し、無線で水漏れを知らせるセンサーで、バッテリーや電源、通信配線の敷設工事が不要だ。 - 加速度1μGの検出を可能にするMEMSセンサーを開発
NTTアドバンステクノロジと東京工業大学は、複数の金属層から形成される積層メタル構造を用いた低ノイズ・高感度のMEMS加速度センサーを開発した。同サイズのセンサーと比べて、ノイズ10分の1以下、感度100倍以上を達成している。 - MEMSでも10kHzの測定が可能なIoT対応の小型振動センサー
IMVは、IoT対応の小型振動ピックアップ(振動センサー)「VP-8021A」を発表した。アナログ・デバイセズの高周波加速度センサー「ADXL1002」を採用し、MEMSでも10kHzの測定ができる。 - 圧力と温度データを簡単に収集できる産業用IoTセンサー「スシセンサー」第2弾
横河電機は、産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」の第2弾となる、無線圧力センサーと無線温度センサーを用いた設備監視ソリューションを発売した。設備の点検工数を削減し、設備異常を早期に発見できる。 - 可視光域と近赤外線域で同時撮影できる1億2000万画素CMOSセンサー
キヤノンは、1億2000万画素CMOSセンサー「120MXSI」を発売した。可視光域と近赤外線域で同時に撮影できるため、工場での検査や計測、農業、医療など幅広い分野への応用が期待できる。