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バッテリーレスの漏水センサー、漏水で発電して無線で知らせる:組み込み開発ニュース
エイブリックは、CLEAN-Boost技術を搭載した「バッテリーレス漏水センサー」のサンプル販売を開始した。漏水を利用して発電し、無線で水漏れを知らせるセンサーで、バッテリーや電源、通信配線の敷設工事が不要だ。
エイブリックは2019年7月10日、CLEAN-Boost技術を搭載した「バッテリーレス漏水センサー」のサンプル販売を開始した。漏水を利用して発電し、無線で水漏れを知らせるセンサーで、バッテリーや電源、通信配線の敷設工事が不要なため、後付けも容易に行える。コストや時間だけでなく、環境負荷の軽減にも貢献する。
CLEAN-Boostは、環境発電の実用化に向けて同社が開発している技術で、身の回りのマイクロワットレベルのエネルギーを集めて蓄電、昇圧することで電池を使用せずにBLEのビーコンを発信できる。
今回開発したバッテリーレス漏水センサーは、無線タグとセンサーリボンを接続して使用する。無線タグの大きさは148×8×5mm(本体部分の大きさは90×8×5mm)。センサーリボンは、長さ0.5m、2m、5mの3種類を用意し、最長15mまで連結できる。送信距離は、見通し30〜100m程度。別途、Bluetooth 4.2対応受信機の用意が必要だ。
最小150μlの水滴レベルの微量な水も検知可能なため、漏水を早期発見してトラブルを事前に防ぐ。電源工事、配線工事が不要で既存施設に後付けできるほか、電池交換の必要が無いためメンテナンスも容易。一般住宅をはじめ、商業施設、工場、サーバルームなどの建物や水を嫌う施設での利用を見込む。
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