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トヨタが新型ロボットを発表、東京五輪で3つの「移動」を支援ロボット開発ニュース(3/3 ページ)

トヨタ自動車は、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」向けに開発した、マスコット「ミライトワ」「ソメイティ」のロボットや、屋外でも利用可能なテレプレゼンスロボット「T-TR1」、フィールド競技サポートロボット「FSR」などを発表した。

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AGVの次世代技術がフィールド競技の運営スタッフを支援

 「バーチャルな移動」に主眼が置かれたマスコットロボットとT-TR1に対して、FSRはフィールド競技における運営スタッフの軽労化に主眼を置いたロボットになる。

 これまで、陸上投てき競技のハンマーややりなどの投てき物の回収と運搬には、ラジコンカーが利用されてきた。投てき物の回収は運営スタッフが行うものの、重量が8kgもあるハンマーをはじめとする投てき物をそこから運搬する負荷は極めて大きい。このため、運営スタッフの近くまで移動させた専用のラジコンカーに投てき物を収めて運搬するのが一般的だった。しかしこの場合、ラジコンカーの操縦者に掛かる負荷を軽減できていないことが課題になる。

 FSRは、投てき物の回収を行う運営スタッフに追従して移動する自律走行ロボットカーだ。車両前方に搭載した3台のカメラユニットで運営スタッフの認識と距離の検知を行い、2mほど離れて追従走行する。カメラユニット上部のLiDARを用いて障害物の回避も行う。運営スタッフが投てき物を回収してFSRに収納したら、自車位置とフィールド内の地図を基に最適な経路を選んで、自律走行によって目標地点まで移動する。

「FSR」が行う作業の流れ
「FSR」が行う作業の流れ(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
3台のカメラユニットとLiDARハンマーを収納した状態 「FSR」の車両前方に搭載した3台のカメラユニットとLiDAR(左)。ハンマーを収納した状態(右)(クリックで拡大)

 FSR自身の状態を周りの人に知らせるため、LEDを用いたコミュニケーションライトも搭載している。例えば、LED全体が水色に光っている中で、追従走行の対象となる人物の方向だけを赤色にするなどだ。

センシングの状態LEDを用いたコミュニケーションライト 「FSR」のカメラユニットとLiDARによるセンシングの状態(左)。LEDを用いたコミュニケーションライトは、追従走行の対象となる人物の方向だけを赤色で示している(右)(クリックで拡大)

 開発は、トヨタ自動車で商用車を扱うCVカンパニーが全体の企画を統括し、小型車を手掛けるToyota Compact Carカンパニー傘下のトヨタ自動車東日本が技術開発を担当した。ベースになったのは、工場などで用いられるAGV(無人搬送車)の次世代技術だ。

 最大積載重量はハンマー2個分となる16kg。既に国体の愛知県予選などでの実証実験を行っており、今後も2019年の茨城国体などさまざまな競技会での実証実験を重ねて行きたい考えだ。東京2020大会では約6台の運用を想定。「軽労化だけでなく、投てき物回収の時間短縮、安全性の向上でも貢献できる」(トヨタ自動車の説明員)としている。

「FSR」の特徴
「FSR」の特徴(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

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