なんてできたヤツなんだ、自律的にも動けて人に付いていくこともできるAGV:スマート工場EXPO2019
豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは、「第3回スマート工場EXPO」において、誘導マーカーなどが不要で自律的な搬送が可能な無人搬送車(AGV)「AiRシリーズ」を参考出品した。
豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー(以下、トヨタL&F)は、「第3回スマート工場EXPO」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、誘導マーカーなどが不要で自律的な搬送が可能な無人搬送車(AGV)「AiRシリーズ」を参考出品した。自律走行の他、人の移動に追従する機能なども備えている。
誘導テープなしに自律的に移動
トヨタL&Fでは従来、走行テープによる誘導型のAGVを展開していた。ただ、誘導式では工場や倉庫などで頻繁に走行ルートが変わるような柔軟性を実現できない。そこで開発を進めたのが自律走行型のAGV「AiRシリーズ」である。「AiR」は「Autonomous intelligent mobile Robot」を意味している。
移動を行うベースモジュールと、さまざまな市場ニーズに応じて変更できるアタッチメント部に分かれており、アタッチメント部にカゴなどを付けて搬送ロボットとしたものを「AiR-T」、掃除機を付け清掃ロボットとしたものを「AiR-C」、ロボットアームを搭載し部品などのピックアップを行うピックアップロボットとしたものを「AiR-P」として用意している。
ベースモジュールは大きくは2つの特徴を備えている。1つ目が専用のオムニホイールにより360度全方向への移動が可能である点だ。方向転換などの無駄な動作が発生しない他、移動スペースなども小さくてすむ。
2つ目がIDタグなどの識別装置なしに人と周辺環境を識別して、人についていくことができる。また追尾中にいきなり障害物が入ってきた場合も、回避することができる。「人の足をレーザーでポイントの組み合わせで認識する。さらにその移動ベクトルを捉えることで特定の足の動きを認識し、そこに付いていくことができる。しばらく同じ方向に歩くようなことがあれば、混乱する可能性はあるが、人とすれ違ったりしても間違えることはない」とブース説明員は述べている。
また、これらの2つの特徴の前提として、レーザーSLAM(Simultaneous localization and mapping)誘導機能がある。レーザーを使って周辺の状況を調べ、自らの位置を把握して走行できる。さらに、前後のセンサーで障害物を検出し、一度停止して動き直すのではなく、自然な動きで円滑に回避する機能なども備えている。
現状ではまず社内で実証を進めているところで、今後社外での実証を行い実用化に向けて開発を進めていく。また、現状で課題と位置付けているのが可搬能力である。「現状では可搬質量が40kgだが、用途によってはもっと重いものを運ぶ必要が出てくる。こうした対応についても検討していく」としている。
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