TSMCは2020年に5nmプロセスを量産、自動車向けロードマップも示す:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
TSMCは2019年6月28日、横浜市内で記者会見を開催し、同社半導体ファウンドリビジネスの概況やプロセス技術開発への取り組みなどを説明した。世界最大の専業ファウンドリである同社の収益は既に7nmプロセス(N7)がけん引役となっており、2020年から5nmプロセス(N5)を採用したチップの量産開始を予定する。
自動車領域向けプロセスロードマップも紹介
また、TSMCではロジックチップ向けプロセス以外にも、MEMSやセンサー、RF、BCD (バイポーラ、CMOS、DMOS) パワーICなど幅広い領域に向けたスペシャルティテクノロジーを提供している。会見では、自動車業界向けスペシャルティテクノロジーのロードマップも合わせて紹介された。
現在「16FFC(16nm FinFET Compact)」が主流となる車載向けのアプリケーションプロセッサやGPUは、2020年にN7へ移行する見込み。2021年第3四半期以降にはN5への移行も見通す。RF分野では110GHzのミリ波に対応する「22ULL(22nm Ultra-Low Leakage)」プロセスが2020年から登場し、2021年には16FFCに移行する予定だ。
マイコン/埋め込みフラッシュ用途には、2019年第3四半期からAEC-Q100 Grade 1(−40〜125℃)に対応する28nmプロセス、2021年には同Grade 0(−40〜150℃)の28nmプロセスが登場する。また、MRAM(磁気抵抗メモリ)を混載する22nmプロセスは2021年から登場するとみられる。CMOSイメージセンサー分野では、NIR+(近赤外線+)における量子効率の改善と、SPAD(シングルフォトンアバランシェダイオード)アレイスタックドLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)の登場が示された。BCD分野では、2021年以降に100V耐圧の55nmプロセスが登場する見込みだ。
また、会見では多くの記者から同社業績に対する米中貿易摩擦の影響を問う声が上がった。TSMCコーポレートコミュニケーション部門でシニアディレクターを務めるエリザベス・サン氏は米中摩擦が同社業績に悪影響を及ぼしたことを認めつつも、2019年下半期以降から業績は回復基調に入る見込みを示した。
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