買収により、臨床分野の専門知識と3DEXPERIENCEプラットフォームを統合:医療機器ニュース
Dassault Systemesは、Medidata Solutionsの買収に関する最終合意に署名した。両社が持つ臨床試験分野での知識と「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を統合し、医療技術開発や製薬、市場投入までをカバーするプラットフォームを提供する。
Dassault Systemes(ダッソー)は2019年6月13日、Medidata Solutions(メディデータ)を買収する最終合意に署名したと発表した。
メディデータは、臨床開発や、臨床現場から得られるリアルワールドデータなどを活用するための技術的なプラットフォームを提供し、ライフサイエンス分野のデジタル変革を進めている。2018年度の売上(2018年12月31日期末)は6億3600万ドル(約690億6960万円)だ。同社が持つ臨床分野の専門知識やクラウドソリューションは、世界の主要な製薬会社やCRO(受託研究機関)に活用されている。
ダッソーは、メディデータの買収により、新しい治療法や医療技術の研究開発、臨床試験、製薬および市場投入までをエンドツーエンドでつなぐ、統合ビジネス・エクスペリエンス・プラットフォームを提供できるようになる。
また、ダッソーの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」上で発揮されるモデリング力やシミュレーション力と、メディデータが持つリアルワールドデータの科学的信頼性や分析力を組み合わせることで、仮想世界で次世代の治療法をどのように開発するか、その可能性を探っていく。
買収は1株当たり92.25ドルの全額現金による取引で、メディデータの企業価値は58億ドル(約6298億8000万円)相当になる。取引完了は、2019年第4四半期の予定だ。
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