ルノー日産がウェイモと「独占契約」、まずは日本とフランスから無人運転サービス:モビリティサービス
ルノー(Renault)、日産自動車とウェイモ(Waymo)は2019年6月20日、無人運転車を使ったモビリティサービスに関する独占契約を締結したと発表した。ウェイモは、フランスでルノーと、日本では日産自動車とのみ、ドライバーレスモビリティサービスの実現可能性を検討する。
ルノー(Renault)、日産自動車とウェイモ(Waymo)は2019年6月20日、無人運転車を使ったモビリティサービスに関する独占契約を締結したと発表した。ウェイモは、フランスでルノーと、日本では日産自動車とのみ、ドライバーレスモビリティサービスの実現可能性を検討する。その後、中国を除いた他の市場に検討を広げる。3社はフランスと日本にドライバーレスモビリティサービスに特化した合弁会社も設立する計画だ。
人やモノを運ぶドライバーレスモビリティサービスが協業の対象となる。3社はそれぞれの強みを持ち寄り、市場機会の分析や、無人運転車を使ったサービスの商業的、法律的な課題の調査を共同で行う。車両などのハードウェア、車両制御やサービス管理のソフトウェアについて、3社でどのように技術を出し合うかは今後具体的に詰めていく。今回の独占契約は、長期的かつ収益性のあるドライバーレスモビリティサービスの事業開発に向けた第1段階だとしている。
ルノーと日産は無人運転車を使ったモビリティサービスに関する既存の取り組みは維持する。日産自動車はDeNAと共同で「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を行っており、フランスではルノーが大手交通機関のTransdev(トランスデブ)と協力し、無人運転車を使った公共交通やオンデマンド型サービスを共同開発している。ルノーと日産自動車が今後新しく始める取り組みについては、ウェイモとのみ行うこととなる。
ウェイモは現在、米国アリゾナ州フェニックスのイーストバレーで「Waymo One」という商用自動運転サービスを提供している。ウェイモが所有する車両はトヨタ自動車の「プリウス」やレクサスのSUV、特注品のプロトタイプの他、クライスラー(Chrysler)のハイブリッドミニバン「パシフィカ」をベースにした完全自動運転車がある。パシフィカはウェイモが設計した量産プラットフォーム上に構築された最初の車両だった。直近ではジャガー(Jaguar)と提携。自動運転システムを搭載した電気自動車「I-PACE」を今後数年間で最大2万台導入する計画だ。
関連記事
- 日産とDeNAの配車サービスが一般向け実証実験、無人運転車投入は次のフェーズで
日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)は、横浜市みなとみらい地区において共同開発した交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を行う。 - 自動運転車でみなとみらい巡り、配車サービスは「地域との協力が不可欠」
日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)が、自動運転車による配車サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験の方針や実験車両を披露した。 - 1日100万回の配車を想定、ジャガーがウェイモに供給する自動運転EV
Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)とWaymo(ウェイモ)は、長期的な戦略的パートナーシップを締結した。 - ホンダとGMが無人ライドシェアで協業、ソフトバンク出資のクルーズが核に
GMクルーズホールディングス(クルーズ)とGM、ホンダの3社が自動運転技術を活用したモビリティの変革に向けて協業すると発表。ホンダはクルーズに、合計で約27億5000万米ドル(約3130億円)の投資を行う。 - ホンダもグーグルと自動運転を共同開発、フィアットクライスラーに続くか
本田技術研究所は、Waymoと完全自動運転の共同研究に向けた検討を開始したと発表した。Waymoは、Googleの親会社であるAlphabetが新設した自動運転技術の開発会社で、Googleが2009年に始めた自動運転開発を引き継いでいる。 - 自動運転よりライドシェアが熱い? 特許からみるIT企業の自動車ビジネス
特許分析の専門会社、ランドンIPの中島顕一氏が、自動車分野でのIT企業の動向を紹介した。特許の出願傾向から、各社の自動車技術の開発方針が見えてくる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.