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JTがプルーム・テック工場を初公開、「3年間で生産能力40倍」の原動力は:メイドインジャパンの現場力(26)(4/4 ページ)
JTは2019年6月13日、報道陣向けに同社東海工場(静岡県磐田市)を初めて公開し、同社の加熱式たばこへの取り組みや生産体制について紹介した。
紙巻きたばこの製造ラインを見る
紙巻きたばこの製造も全自動で行われ、巻き上げ機、直結機(リザーバー)、小箱成型機、フィルム包装機、カートン包装機、ラベリング装置、段ボール包装機がそれぞれベルトコンベアなどで接続されている。今回見学した製造ラインでは1分間に1万4000本を製造する能力を持つという。
まず、原料の「刻み」を巻紙でくるみ、1本の非常に長い「棒巻き」を作る。棒巻きをたばこ2本分の長さにカットした後に、さらに1本分に再度カットする。このとき、棒巻きが柔らかいため「カットが非常に難しく、品質を維持するためナイフを常に調整している」(同社担当者)という。
巻き上げ機に充填される刻み(クリックで拡大) 出典:JT
たばこ1本分の長さにカットされた棒巻き2個の片側を合わせるように、チップペーパーとフィルターを取り付けることで「ダブル巻き」と呼ばれる状態にする。このタブル巻きを中心で切断すると1本の紙巻きたばこが完成する。巻き上げ機には多数のセンサーが搭載され、合格品のみ装置から搬出されるという。
完成したたばこは一旦リザーバーで保存される。このリザーバーは16万本のたばこを保存でき、先入れ先出しの処理を行う。リザーバーから搬出されたたばこは包装機によって、7本、6本、7本の計20本で1束とされ、アルミ箔と包か用紙で包装される。その後シールの貼り付けやフィルム包装、カートン詰めが行われる。
リザーバーに保存されるたばこ(クリックで拡大) 出典:JT
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