+10℃で吸いごたえ高めた新型「プルーム・テック」、焼き芋臭のない高温加熱型も:イノベーションのレシピ(1/2 ページ)
JT(日本たばこ産業)は2019年1月17日、加熱式たばこの新製品「プルーム・テック・プラス」と「プルーム・エス」を同年1月29日より発売すると発表した。従来のプルーム・テックから吸いごたえを強化するためバッテリー容量を大幅に増加させた他、細かな使い勝手も進化している。
JT(日本たばこ産業)は2019年1月17日、加熱式たばこの新製品「プルーム・テック・プラス」と「プルーム・エス」を同年1月29日より発売すると発表した。同社の加熱式たばこラインアップは、既に販売している「プルーム・テック」を含めて3製品を併売する。
プルーム・テック・プラスは同社独自の低温加熱方式を採用した加熱式たばこ。同社はプルーム・テックから低温加熱型を採用しており、蒸気によってたばこ葉を熱する。紙巻きたばこと比較して、においを1%未満に抑えるとともに有害物質を99%以上カットするプルーム・テックの利点を残しながらも吸いごたえを増やした。
一方でプルーム・エスは、フィリップモリスの「IQOS(アイコス)」やブリティッシュ・アメリカン・タバコの「glo(グロー)」と同方式となるたばこ葉を直接加熱する高温加熱式の加熱式たばこ。高温加熱型特有のにおいを低減しつつ、紙巻きたばこに近い味わいを実現した。
においと有害物質の低減はそのままに、吸いごたえを増やした「プラス」
JTは2018年6月からプルーム・テックの本格展開を開始。それまで外資たばこ企業が席巻していた日本の加熱式たばこ市場で最後発の立ち位置だったが、IQOSに続いて業界2位に浮上したという。そのカギとなったのは、同社が独自に開発した低温加熱方式によるたばこ臭と有害物質の大幅低減、そして多彩なフレーバー展開だ*)。
※) 関連記事:水蒸気蒸留が違いを生み出す、日本発の加熱式たばこ「Ploom TECH」
しかしながら、プルーム・テックのユーザーに行ったアンケート調査では44%のユーザーで「吸いごたえの強化をしてほしい」と回答があったという。同社副社長 たばこ事業本部長の岩井睦雄氏は「プルーム・テックはタール数が1〜3mg程度の紙巻きたばこがターゲットだった」と話す。
プルーム・テック・プラスではプルーム・テックのたばこ臭と有害物質の大幅低減という利点を維持しつつ、吸いごたえの強化を図ったことが一番の特徴となる。プルーム・テックからバッテリー出力(プルーム・テック:190mAh、プルーム・テック・プラス:610mAh)を向上させるとともにプルーム・テック・プラス専用のカートリッジを採用し、蒸気量を増加させた。また、専用たばこカプセルに含まれるたばこ葉を増量することで「タール数が3〜5mg程度の紙巻きたばこと同等の吸いごたえ」(岩井氏)を実現。同社が200人のユーザーに調査した結果、90%が吸いごたえに満足したとする。
開発に携わった同社担当者は「単純にたばこ葉に通す蒸気量を増やすだけではだめだった」と付け加える。「単に蒸気量を増やせばたばこを吸える回数(パフ)が少なくなる。プルーム・テック・プラスでは、プルーム・テックからたばこカプセルを通過する蒸気温度を10℃上昇させ40℃とした。また、たばこ葉の量とたばこ葉に通す蒸気量をベストバランスで調整することで、吸いごたえを強化することができた」と開発の工夫を明かした。
また、デバイスの使い勝手の面でも改善がみられる。プルーム・テック・プラスはフル充電時の使用可能パフ数が250(カプセル5本分)と変更はないが、バッテリーの充電コネクターがプルーム・テックでは専用であったのがプルーム・テック・プラスではUSB Micro-Bタイプとなり充電の自由度が増している。
充電残量通知についてもプルーム・テックが青から赤(0%)による2段階であったものが、プルーム・テック・プラスでは、青(100〜20%)、紫(20〜0%)、赤(0%)と残量がある程度判別しやすくなった。また、プルーム・テック・プラスにはカートリッジカバーが新たに付属しており、リキッドの残量が視認できる窓が設けられている。電源のオンオフ、カプセル交換通知を解除する物理ボタンも新たに配置した。充電時間は約90分だ。
本体バッテリーと充電機器などが入るスターターキットの価格は4980円(税込)。発売時は黒と白のカラー展開で、今後新たなカラーバリエーションも予定する。
プルーム・テック・プラスの専用リフィルは全てメビウスブランドとなり、レギュラータイプが2種類とメンソールタイプが2種類の合計4種類。カプセル5本とカートリッジ1本が入り、価格は500円(税込)となる。
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