AIを活用した輸送車両シェアリングサービスをタイで提供開始:製造マネジメントニュース
日立製作所は、2019年6月から輸送車両シェアリングサービスをタイで提供開始する。AIを活用し、複数の輸配送事業者の中から、荷主からの輸送依頼に最適な車両を手配する。
日立製作所は2019年5月29日、同社のASEAN地域における統括会社Hitachi Asia(Thailand)と日立物流の子会社Hitachi Transport System Vantec(Thailand)が共同で、同年6月から輸送車両シェアリングサービスをタイで提供開始すると発表した。
同サービスは、Hitachi AsiaおよびHitachi Transport System Vantecの技術とノウハウを融合させて開発。日立のAI(人工知能)を活用したLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」と日立物流の運行管理システムを連携させ、複数の輸配送事業者の中から、荷主からの輸送依頼に最適な車両を手配する。また、稼働中のトラックやコンテナ車の運行状況、空き車両などの情報を統合的に管理する。
具体的には、データ解析エンジンを使用し荷主企業から受けた輸送依頼の集荷地点に最も近い場所の空車予定情報を検索する。輸送車両の車格や温度管理などの制約条件、スコアリングしたドライバーの評価情報、交通情報などを組み合わせてマッチングする。
これにより、輸配送完了後の空車回送を有効利用し、集荷納品拠点が近い異なる荷主企業の輸配送に同時対応する共同輸配送が可能になる。荷主企業の輸送コスト低減や納期短縮につながる他、輸配送事業者への最適な配車指示による運転手の労働時間および燃料代などの低減を支援する。
同サービスの運用管理は日立物流が担当する。タイ国内の製造流通各社やHitachi Consumer Products(Thailand)、Hitachi Sales(Thailand)、Hitachi High-Technologies(Thailand)など日立グループを含む荷主企業、幅広い輸配送業者に対して同サービスを提供する。さらに今後、コンテナ輸送からトラック輸送と順次サービス範囲を拡大し、2023年度までにトラック2万1000台の利用と年間売上80億円を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 熟練者の経験とAIを融合、配送計画の自動立案サービス
日立製作所は、AIやIoT技術を活用し、熟練者の経験を取り入れた独自のアルゴリズムを用いて、効率的な配送計画を自動的に立案する「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」を発表した。 - 小売・流通向け、AI活用データ分析サービスを提供開始
日立製作所は、小売流通企業を対象に、ユーザー企業から各種データを預かり、AIによる分析結果に基づいてデータサイエンティストが施策提案するサービス「Hitachi Digital Solution for Retail」を2018年11月1日から提供開始する。 - インテルが低コストな物流ソリューションを本格展開、日通も採用
インテルは2019年3月28日、東京都内で記者会見を開催し、物流業界向けIoT(モノのインターネット)ソリューション「インテル コネクテッド・ロジスティクス・プラットフォーム(インテル CLP)」を日本市場で本格展開すると発表した。 - グローバル研究チームを発足、顧客協創を推進してビジネス創出支援へ
日立製作所は、IoTプラットフォーム「Lumada」のソリューション開発を促すため、グローバル研究チーム「Insights Laboratory」を発足。社会イノベーション協創センタやテクノロジーイノベーションセンタの研究者などで構成するチームとなる。 - 日立がタイのコングロマリットと協創に向け提携、「Lumada」の海外展開を加速へ
タイのサイアムセメントグループ セメント・ビルディングマテリアルズ(SCG-CBM)と日立製作所、日立アジア(タイランド)社は、SCG-CBMの工場のエネルギー省力化や流通業務の効率化に向けた協創に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。 - DXのPoCから立ち上げを迅速かつ容易に、日立が「Lumada Solution Hub」を投入
日立製作所はIoTプラットフォーム「Lumada」を用いたデジタルトランスフォーメーション(DX)を迅速かつ容易に行えるサービス「Lumada Solution Hub」を開発したと発表した。2019年4月1日から順次販売を始める。