ロッキードなどがSASのIoT分析ツールを導入、輸送機の維持管理に貢献:製造IT導入事例
SAS Instituteのソフトウェア「SAS Analytics for IoT」を、Ulbrich Stainless Steel&Specialty MetalsとLockheed Martinが導入した。同ソフトは最新アップデートにより、ストリーミングアナリティクス機能と機械学習などが利用可能になった。
SAS Instituteは2019年4月24日、同社のソフトウェア「SAS Analytics for IoT」を、Ulbrich Stainless Steel&Specialty Metals(Ulbrich)とLockheed Martinが導入したと発表した。
SAS Analytics for IoTは、専門技術を持たないユーザーでもアナリティクス向けに、IoT(モノのインターネット)データとストリーミングIoTデータがいつでも準備できる。最新版では、AI(人工知能)、機械学習、ストリーミングアナリティクスの最新スイートが利用可能になった。また、オープンAPIによりSAS製品をはじめサードパーティーやオープンソース製品とも統合できる。
Ulbrichは、医療向け加工ステンレス鋼やソーラーパネル向け特殊ワイヤーなどを製造する企業だ。同社は製品を所定の時間までにプラントから出荷するため、保守と製造に関する課題を解決したいと考えており、課題解決に向け工場の各種センサーから生成されるデータを分析し活用できる同ソフトを導入した。
今後はストリーミングアナリティクスを利用することで、プラント内の機器の状況を把握し、故障前に機器をメンテナンスするタイミングなどを予測する。また、工場で収集したマシンデータとセンサーデータを同ソフトで分析し、生産性と効率の向上を目指す。
Lockheed Martinはハーキュリーズ輸送機「C-130」の製造と保守を手掛ける。同輸送機は気象データを収集するためのハリケーンへの突入、空中での消火や給油、長距離の捜索と救出活動、世界各地での軍事作戦などに利用されている。SAS Analytics for IoTの導入により、各機体のセンサーから送られるデータストリーミングを分析して、同輸送機の保守と修理の必要性を予測できるようになる。
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