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シームレスな“モノづくり基盤”実現へ、設計と生産の結び目にまで踏み込むSAPハノーバーメッセ2019(2/2 ページ)

ドイツのSAPは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、「マスカスタマイゼーション」を実現するモノづくりの一連のフローをブース内に再現。同社のソリューションがこれらの工程を総合的に支援できるという点を訴えた。また、欧州で旭化成が取り組み、SAPが支援に入る、水素サプライチェーンインフラ構築への取り組みを事例として紹介した。

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水素サプライチェーンなど新ビジネス開拓にも貢献

 また、製造工程の改善だけでなく、新たなビジネス創出に貢献した事例などもブース内セミナーで紹介。その1つとして欧州で旭化成が取り組む、水素サプライチェーン構築への取り組みを説明した。

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旭化成ヨーロッパ グリーンエネルギープロジェクト 欧州地域マネージャーの奈木野豪秀氏

 旭化成ヨーロッパが取り組むのは、水素を活用したクリーンエネルギーの循環プロジェクトである。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、電力生成時に二酸化炭素を発生させないクリーンエネルギーだとされているが、発電がコントロールできないために、需給バランスが取れないという状況が生まれる。そのため蓄電が重要になるが、既存の電池で蓄電を行うとコストが見合わない。そこで、再生可能エネルギーを一時的に水素に変換し、利用時は水素から電力や熱などのエネルギーを生み出すようにする仕組みを訴えているのである。

 旭化成ヨーロッパ グリーンエネルギープロジェクト 欧州地域マネージャーの奈木野豪秀氏は「低炭素社会を実現するための1つの解決策として水素の活用というのは効果的だと考えている。この水素活用のインフラを構築することを目指すのが旭化成の取り組みである」と述べている。

 この水素活用インフラ設備のリモートモニタリング(遠隔監視)やスマートオペレーション、プレディレクティブメンテナンス(予知保全)に「SAP Leonardo」が活用されているという。奈木野氏は「新たなインフラ構築が必要になるので、これらの効率的な運用は必須となる。その面でSAPとのパートナーシップで進めている」と述べている。今後は2030年頃をめどに実用化を目指し、これらのサプライチェーン構築を進めていくとしている。

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旭化成ヨーロッパが描く水素サプライチェーンのイメージ(クリックで拡大)出典:旭化成

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