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パナソニックがコンビニ運営に踏み出し、ファミマは無人店舗をためらわずイノベーションのレシピ(3/3 ページ)

ファミリーマートとパナソニックは2019年4月2日、パナソニックの佐江戸事業場(横浜市都筑区)の一角に建設していた、IoT(モノのインターネット)を活用する次世代型コンビニエンスストアの実現に向けた実証実験店舗となる「ファミリーマート 佐江戸店(以下、佐江戸店)」を報道陣に公開した。

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ファミリーマート 社長の澤田氏「本当にワクワクしている」

 佐江戸事業場内で行われた会見には、ファミリーマート 社長の澤田貴司氏とパナソニック CNS社 社長の樋口泰行氏が登壇した。澤田氏は「パナソニックの技術を駆使した店舗をオープンできることに、本当にワクワクしている」と、今回の協業に対する期待を隠さない。その上で、「確かにやってみないと分からないことも多いが、店舗のすぐそばに、今回導入する技術を開発しているパナソニックのスタッフがいることは心強い。いろんな問題に向き合いつつ技術革新を進める」(同氏)としている。

両社が協業する背景
両社が協業する背景(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 佐江戸店は、パナソニック システムソリューションズ ジャパンの子会社であるストアビジネスソリューションズが運営する店舗である。つまり、パナソニックグループがファミリーマートとフランチャイズ契約を結んでコンビニエンスストアの店舗運営に踏み出すことを意味している。実際に、同店の店長を務めるのは、パナソニック CNS社出身で現在はストアビジネスソリューションズに所属する藤田卓氏だ。なお、店舗運営をサポートするため、ファミリーマート 営業本部 ニューマーケット運営事業部で店舗業務削減のスーパーバイザーを務めてきた山田恵理子氏が副店長を務める。

 樋口氏は、創業から101年目を迎えたパナソニックの製造業の技術やノウハウを、物流や流通、小売りといったさまざまな現場の困りごとを解決するために展開しているCNS社の事業方針を示しつつ「リアル店舗で役立つものにするには、実証実験のプロセスが必要であり、それはパナソニックだけではできない。今回は、ファミリーマートというベストパートナーと組めた」と強調する。そして「自ら店舗を運営することで初めて、顧客であるコンビニエンスストアの困りごとがよく分かるだろう。そこまで踏み込んでいくことが重要だ」(同氏)としている。

両社の協業と導入するソリューションの全体像
両社の協業と導入するソリューションの全体像(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 なお、佐江戸店で実証実験したソリューションが、実際にコンビニエンスストアに導入される時期について澤田氏は「今回の実証実験店舗に導入するソリューションは、やってみなければ分からないものの、できるものはすぐにでも導入したい。コンビニエンスストア業界を取り巻く環境を考えると、『何年でどれくらいやる』というものではなく、既に待ったなしの状況にある」と語る。

 また、無人店舗についても積極的に取り組んでいく姿勢を示した。「商品の補充などを考えれば完全無人は難しいが、店舗業務を極小化していくことについてはあらゆる可能性を模索していく。例えば、佐江戸店で行う顔認証決済/物体検知を使った無人店舗などは、オフィス内の小型店舗などにすぐに導入できる可能性がある」(同氏)としている。

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