ポケトークだけじゃない、ソースネクストのIoT製品は2019年度内に5つへ:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
ソースネクストが2019年度の事業戦略を説明。同社がIoT製品と位置付ける、AI通訳機「ポケトーク」に続けて、位置見守り機「FamilyDot(ファミリードット)」をはじめ4つのIoT製品を追加し、2019年度内にラインアップを5製品に拡充する方針を示した。
小学生の母親の悩みを解決する「ファミリードット」
ポケトークに続くIoT製品となるファミリードットは「契約不要、世界で使えるGPS」がキャッチフレーズ。ポケトークと同様に、AndroidベースのプラットフォームとソラコムのeSIMを採用している。本体サイズは45×45×15mm、重量37.5gと小型で、容量800mAhの電池により、充電なしで約1週間連続使用できる。2年間のグローバル通信契約付きで、販売予定価格は1万4880円(税別)だ。
主な用途として想定するのは子供の見守りだ。松田氏は「小学生の母親にアンケートをとったところ、ほとんどが子供の外出に不安を感じている一方で、高い利用料金や校則によるの持ち込み禁止などもあり携帯電話機を持たせられていないことが多いという結果が出た。ファミリードットは、同様の機能を持つ製品の中では最も安価で、子供の位置情報を親のスマートフォンに知らせる機能しか持たないので校則にも引っ掛からない」と利点を強調する。
ファミリードットとの比較では、忘れ物防止タグや子供用ケータイを挙げた。通信範囲が限られる忘れ物防止タグに対して、SIMによる携帯電話通信網を用いるファミリードットは国内だけでなく世界でも使える。また子供用ケータイは、子供の動画やSNS利用に対する不安があるが、ファミリードットは位置情報を知らせる機能しか持っていない。さらにファミリードットは、申し込み手続きが不要で月額料金が不要、販売価格も最も安価だとする。
ソースネクストは、2019年5月29日にファミリードットを発売した後、2019年度内にIoT製品のラインアップを5つにすべく開発を進めている。残りの3製品のうちの1製品として挙げたのが、会話をリアルタイムにテキスト表示する「Catch Voice」である。これらのIoT製品は、企画と仕様設計、ソフトウェア開発はソースネクストが行い、ハードウェア開発は中国・深センの協力企業に依頼しているという。松田氏は「続々とイノベーティブなIoT製品を世界中に投入しグローバルIoTメーカーになる」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ユーザーが1万社を超えたソラコム、「ポケトーク」のグローバル対応を62日で実現
ソラコムは、東京都内で年次ユーザーイベント「Discovery 2018」を開催。基調講演に登壇した同社社長の玉川憲氏は、ユーザー数が1万社を超えたことや新たなサービスなどを発表。ソースネクストや日本瓦斯などのユーザー、KDDI、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、東京海上日動火災保険などのパートナーも連携事例を紹介した。 - AI通訳機の日本語音声の新エンジンに音声合成ミドルウェアが採用
東芝デジタルソリューションズは、「RECAIUS 音声合成ミドルウェア ToSpeak」がソースネクストのAI通訳機「POCKETALK W」の新たな日本語音声のエンジンとして採用されたことを発表した。 - IoT製品でこれまでと違う方向性へ、キングジムの「ニッチ戦略」
キングジムは2018年10月10日、スマートプログラムアラーム「リンクタイム LT10」を発表した。販売価格は1万3200円(税別)、販売開始は同年10月26日。同製品はスマートフォン(アプリ)やPC(Webブラウザ)から遠隔にある時計に指示を送りアラームなどの設定が簡単に可能だ。 - IoT製品の開発に最適なプロセッサはSnapdragon、AIも組み込める
クアルコムジャパンとサンダーソフトジャパンが東京都内で合同説明会を開催。クアルコムのプロセッサ「Snapdragon」を中核としたIoT製品の開発に用いるプラットフォームの展開について説明し「AIの組み込みにも対応するSnapdragonこそがIoT製品の開発に最適」と訴えた。 - 製造業が作るIoT製品、誰がサイバー攻撃から守るのか
トレンドマイクロは事業戦略説明会を開催し、企業がセキュリティ確保に取り組む専門組織「セキュリティオペレーションセンター」の設置を、社内向けだけでなく社外向けにも設置する必要性があることを訴えた。 - 中小製造業のIoT活用は難しくない!? 先行する3社はなぜ実現できたのか
「AWS Summit Tokyo 2018」において、IoTやAIの活用で先進的な取り組みを進めている3社の中小製造業が登壇する講演が行われた。武州工業、旭鉄工、IBUKIが自社の取り組みを紹介するとともに、どのようにすればIoT/AI活用を進められるかについて意見を交わした。