再生医療に活用できるiPS細胞大量自動培養装置を製品化:医療機器ニュース
日立製作所は、iPS細胞大量自動培養装置「iACE2」を製品化した。完全閉鎖系の流路モジュールを用いて、再生医療に使用するiPS細胞を無菌環境で播種(はしゅ)、培養、観察でき、品質の高い細胞を安定的に供給する。
日立製作所は2019年3月11日、iPS細胞大量自動培養装置「iACE2(アイエースツー)」を製品化したと発表した。既に第1号機を、大日本住友製薬の再生・細胞医薬製造プラントに納入している。
iACE2は、再生医療等製品の製造管理および品質管理の方法に関する基準「GCTP省令」準拠に必要な機能を有した国内初の装置で、臨床に使用するiPS細胞を大量に自動培養できる。培養容器や培地の流路に完全閉鎖系の流路モジュールを用いており、無菌環境で細胞の播種(はしゅ)、培養、観察ができ、品質の高い細胞を安定的に供給できる。
また、再生医療等製品の製造所で再生医療等製品の製造管理および品質管理に求められる「CSVを含むバリデーション実施が可能な設計」「監査証跡機能」「除染耐性」「設置環境の清浄度維持」などを搭載。2019年3月末に第2号機を納入する予定で、大日本住友製薬が取り組む再生医療事業の商用生産体制の確立を支援する。
iPS細胞は傷病などで傷ついた細胞を補う再生医療などへの活用が期待されており、実用化に向けた取り組みが急速に進んでいる。一方、iPS細胞の培養は熟練者による手技に頼っているのが現状で、再生医療の普及のためには細胞の大量培養技術が必要とされている。
同社は今後、iPS細胞を用いた再生医療等製品の開発、製造を行う企業へ本製品の提案活動を行うとともに、日立グループとして細胞製造施設、関連機器類、製法開発や受託製造サービスなどを総合的に提供し、再生医療の普及を支援する。
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