未来は予測できる、GAFAの隙間技術で勝負することが日本企業の生きる道:MONOist IoT Forum 東京2018(後編)(3/3 ページ)
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2018年12月18日、東京都内でセミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。後編ではVALUENEX 代表取締役社長の中村達生氏によるランチセッション「大量の情報を俯瞰して未来を拓く」とその他の講演内容について紹介する。
リスクベースセキュリティ対策の有効性を語るテナブルネットワークセキュリティ
テナブルネットワークセキュリティジャパンは「システムの安全化を図るサイバーセキュリティ取り組み方改革」をテーマに、リスクベースセキュリティ対策の価値を訴えた。
IoT活用が増えると大きな生産性改善や新たなビジネス機会拡大などのチャンスを生む一方でセキュリティのリスクが高まる。しかし、サイバー攻撃を完全に防ぐことは困難である。そこで拡大し続ける拡大し続けるサイバー攻撃の脅威に対し、攻撃や侵入を前提とした被害を最小限に留めるための脆弱性の継続的な管理や、セキュリティ設定不備の監査のような、サイバーエクスポージャーに対する取り組みが広がってきている。
テナブルネットワークセキュリティジャパン セールスエンジニア 梅原鉄己氏は「製造業においても攻撃対象とされる機会は増えてきている。その中で、攻撃を受けやすいポイントを絞り込んで対策していくことが現実的だ」とリスクベースセキュリティ対策の意義について訴えた。
ITとOTを組み合わせたセキュリティを訴えた日立ソリューションズ
日立ソリューションズは「つながる時代のセキュリティ〜ITとOTのセキュリティ対策〜」をテーマとし、IoTで重要になるOT(制御技術)系を含めたサイバーセキュリティの重要性について紹介した。
日立ソリューションズ セキュリティマーケティング推進部 部長の扇健一氏は「サイバーセキュリティの脅威が高まる中、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策が必要になる」と語る。
具体的に米国など、各国で進むサプライチェーンに対するリスクマネジメント規制などについて紹介し、これらに対する人為的脅威、偶発的脅威、環境的脅威などについての対策を訴えた。
アクションにつながるIoTの価値を示すPTC
PTCジャパンは「アクショナブルIoT - 予兆保全のその先へ」をテーマとし、見える化や予防保全の先として、具体的なアクションにつなげられるIoTの価値を訴えた。
PTCジャパン 執行役員 製品技術事業部 IoT/Manufacturing技術本部の山田篤伸氏は「既に機器のセンシングやダッシュボードを使った予兆分析は、必須となっており、各社がさまざまな形で取り組みを進めている。ただその本質は先にあり『いかに効果的なアクションを実施できるか』に全てがかかっている」とアクションの重要性を強調した。
その具体的な解として、認識のギャップを縮小し直感的な理解を推進する「IoT+AI」の価値を訴え、同社のソリューションを紹介した。
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