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AIとIoTは編集記者にとっても便利!? そして2018年最も話題のおじさんと言えば組み込み開発 年間ランキング2018(1/2 ページ)

2018年に公開したMONOist組み込み開発フォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位に輝いたのは、今一番ホットなあの技術の解説記事でした。

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⇒MONOist年間ランキングのバックナンバー

 2018年は、ネットワークとつながるIoT(モノのインターネット)デバイスとしての組み込み機器の開発が本格化した1年だったのではないでしょうか。MONOistの組み込み開発フォーラムと関わりの深い展示会に、例年11月開催の「ET(Embedded Technology)展」がありますが、組み込み機器やIoTといったコンセプトを包含したエッジテクノロジー(Edge Technology)総合展となる方向性を打ち出しています。

 IoTによって、組み込み機器の機能が全てクラウドに集約されるという見方もありましたが、インテリジェントエッジ、エッジヘビーという形で、組み込み機器の機能がより重視されつつあります。だからこそ、組み込み機器の開発を担当するエンジニアは、最新の技術をどん欲に取り込んでいく必要にも迫られていると言っていいでしょう。

 そんな2018年、最も多く読まれたのは一体どんな記事だったのでしょうか。2018年にMONOist組み込み開発フォーラムで公開した記事のランキング(読まれた回数)ベスト3とトップ10、そして(編集担当が)興味深かった記事を幾つか紹介したいと思います。

1位〜3位を発表!

ニューラルネットワークとは
「AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか」より。「ニューラルネットワークとは」(クリックで拡大)

 第1位に輝いたのは、「いまさら聞けない機械学習入門」の前編「AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか」でした。

 第3次AI(人工知能)ブームのおかげもあり、その引き金となったディープラーニング(深層学習)をはじめ、機械学習やニューラルネットワークといった新たな用語が広く使われるようになっています。その一方で、AIとは何か、機械学習とは何か、ディープラーニングとは何か、それぞれ何が違うのかといったところをあいまいにして、これらの用語を使っていることも多いかと思います。

 実際に、編集記者としては、“AI”という半角英字2文字だけで最新テクノロジー感を出しつつふんわりそれっぽくまとめられる用語は、記事のタイトル付けなどで大変重宝します(そういう意味ではIoTも同じですね)。ただし本来的には、そこでいうAIが実際にはどういうものなのかが重要なはずです。組み込み機器の開発でもAIとの関わりが深くなりつつありますが、だからこそ「AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか」を知っていただきたく、(自戒も込めて)この解説記事を掲載しました。

 なお、後編に当たる「機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね」も6位にランクインしています。

「Node-RED」の画面イメージ
「Node-RED」の画面イメージ(クリックで拡大) 出典:nodered.org

 第2位には、第50回で好評のうちに連載を終了した「IoT観測所」から、『「Node-RED」がつなげるWeb系エンジニアとIoT』が入りました。

 組み込み機器のエンジニアの業務といえば、1つの機器の開発に集中するのが一般的でした。ただし、IoTという枠組みでは、複数の機器がネットワークを介して連携することにより機能を発揮します。このIoTのつながりを、WebブラウザとGUIベースで開発できるのがNode-REDです。もともとIBMが社内コンテストで開発したものですが、現在はオープンソースソフトウェアになっています。

 MONOist2018年展望として、「ノンプログラミング開発環境がIoTのエッジとクラウドの相克を解消する」という記事を掲載しましたが、きっかけになったのはこのNode-REDの存在でした。

 組み込み機器のエンジニアである以上、従来の組み込み機器に関わるプログラミングスキルは有しているでしょうが、IoTになったからと言って、JavaやPythonといったWeb系エンジニアが得意とするプログラミングスキルをすぐに習得できるわけではありません。Node-REDのようなノンプログラミング開発環境の役割は、今後も重要度を増していくのではないでしょうか。

 なお、IoT観測所からは、『アマゾンよりも面白い?「Mongoose OS」がIoT開発のハードルを下げる』も第10位に入りました。

 第3位に入ったのは、「日本は既にディープラーニングで後進国となりつつある――東大松尾教授」でした。日本のAI関連研究の第1人者ともいわれる東京大学大学院 工学系研究科 特任准教授の松尾豊氏が「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2018」で講演した際の抄録となります。

 日本のAI研究は米国と中国に大きく後れを取っていると言われます。政府予算を含めて投資金額が両国よりも少ない上に、日進月歩で進化するIT技術でもあるAIの研究は、日本にとって得意分野とはいいがたいかもしれません。

 ただし、AIを適用するアプリケーションの1つである製造業については、日本はまだそれなりの力を有しているはずです。そして、製造業などとAIの融合に可能性があるからこそ、松尾氏も「課題がクリアできれば世界と戦える」と言っているのです。

 第4〜10位については、以下のランキング表から記事内容を確認していただければと思います。

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