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東芝メモリが取り組むサイバーファブ、なぜ工場デジタルツイン化を目指すのかMONOist IoT Forum 東京2018(前編)(3/3 ページ)

MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2018年12月18日、東京都内でセミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。東京での同セミナー開催は3度目となる。前編では東芝メモリ デジタルプロセスイノベーションセンター 副センター長の伊藤剛氏の基調講演「メモリ製造業におけるAI活用『AI×メモリ!?』」の内容を紹介する。

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工場の完全デジタルツイン化が理想

 将来的には、四日市工場を完全にデジタルツイン化することを目指す。四日市工場では2015年からAI活用を進めてきておりデータ基盤の整備なども進んでいたが、2018年3月にはデジタルプロセスイノベーションセンターを設立。研究開発部門とITシステム部門、モノづくり部門から人を出し、デジタル技術をいかにうまく使うかを応用研究しスピーディーに展開できる組織を構築している。

 この組織を中心に四日市工場をデジタルツイン化し「サイバーファブ」を作り出す取り組みを推進しているという。「半導体工場は基本的には装置が常に稼働している状況で止めれば大きな損害となる。その中で新たなデジタル技術を活用して、さらなる高度化を進めようとすると、非常に大きなリスクを抱えることになる。そこで、デジタル空間に現実の工場を完全に再現できるようにし、そこでさまざまなシミュレーションや試験運用が行えるような環境を作る。そういう世界を目指している」と伊藤氏は今後の取り組みについて述べている。

 このデジタルツイン化は、デジタルプロセスイノベーションセンターでも1社では実現できないことであるため、オープンイノベーションの発想でさまざまなIT企業やベンチャー企業などと交流を進めながら実現へと進めている状況だとする。

 また、伊藤氏は「AI活用やデジタルツイン化をすると人の役割がなくなるという声もあるが、そうは思わない。四日市工場にも人に基づいたさまざまな匠のノウハウが存在する。その匠の技をデジタル化し、そのデータやレシピを作り出す人をデジタルマイスターと位置付け、さらなる知見を生み出していく取り組みを進めている」と人の役割について述べている。

 スマートファクトリーへの取り組みについて伊藤氏は「ビッグデータを生かしてサイバーファブを構築し、その環境でさまざまなシミュレーションを行う。そしてそこで生み出した知見をデジタルマイスターがレシピ化しそれにより、さらに高度なモノづくりを実現する。こうしたサイクルを作り出していきたい」と語っていた。

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