油圧ならトン単位の力も出せる、ブリヂストンのゴム人工筋肉:ロボット開発ニュース
ブリヂストンは、「Japan Robot Week 2018」において、アシストスーツや歩行トレーニング装置などに最適な空気圧式ゴム人工筋肉を展示した。
ブリヂストンは、「Japan Robot Week 2018」(2018年10月17〜19日、東京ビッグサイト)において、アシストスーツや歩行トレーニング装置などに最適な空気圧式ゴム人工筋肉を展示した。既に、東京医科歯科大学 教授の川嶋健嗣氏や東京工業大学 教授の鈴森康一氏などと共同研究を進めているが、さらに実用化を加速するため今回の展示を契機に開発パートナー企業を募る。
同社が開発している人工筋肉は、マッキベン型と呼ばれており、ゴムチューブとその周りの繊維を筒状に組み上げた補強層から構成されている。ポンプを使ってゴムチューブ内の流体(空気やオイル)を加圧すると、ゴムチューブの径方向に膨張するとともに軸方向に収縮して、人工筋肉としての引っ張る力を出せる。
アクチュエータとして用いる場合の特徴は3つある。1つ目は軽量なことで、100g程度の軽さで70kgfの力を出せる。一般的なモーターや油圧シリンダーと比べて、10倍以上の力/自重比になるという。2つ目は、モーターやシリンダーなどの金属部品とは異なる柔軟性だ。「流体を加圧しない状態だけでなく、加圧した状態でも曲げることができる」(ブリヂストンの説明員)。3つ目の特徴は、適度な遊びがあること、ゴムであることによる人への親和性になる。
展示に用いた長さ30cm程度の人工筋肉は、ゴムチューブ内部に約0.6MPa(6気圧)の圧力を加えると約70kgfの引っ張り力を生み出せる。径方向の膨張率は2倍、軸方向は30%ほど収縮する。また、空気圧を油圧に変更すればさらに圧力を高められるので、トン単位の力を出すことも可能になる。「一般的なゴム製品で、これほどの高い比率と繰り返し回数で膨張収縮するものはあまりない。さまざまなゴム製品を開発してきた当社ならではの知見を生かして開発した」(同説明員)という。
展示では、アスレチックマシンの負荷を変動させたり、自宅で行う前屈ストレッチの補助に用いたりといった応用例を示した。
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