電動パワーステアリングの技術を応用したアシストスーツ、「人の動きに調和」:2017国際ロボット展
ジェイテクトは、「2017 国際ロボット展(iREX2017)」において、工場や建設現場など向けのパワーアシストスーツ「J-PAS(JTEKT Power Assist Suit)」を披露した。2018年度内の国内発売を予定している。
ジェイテクトは、「2017 国際ロボット展(iREX2017)」(2017年11月29日〜12月2日、東京ビッグサイト)において、工場や建設現場など向けのパワーアシストスーツ「J-PAS(JTEKT Power Assist Suit)」を披露した。2018年度内の国内発売を予定している。
J-PASの特徴は3つある。1つ目は「人の動きに調和したアシスト機能」で、作業に応じたアシスト特性(出力・タイミング)を変更可能であり、リモコンによって操作することもできる。2つ目は「作業の多様性への対応」になる。最大10kgのアシスト力があるので重作業で腰に掛かる負担を軽減できる。左右独立に作動するので、さまざまな作業姿勢に対応するという。3つ目は「フィット感と着脱性の両立」だ。アクチュエータなどが組み込まれた駆動部を体に取り付けるためのベストの付け替えが可能で、ベストもS、M、Lとサイズ展開を予定している。このため、男性や女性の使用者がそれぞれ自分専用のベストを使いながら駆動部は共用するといった使い方が可能になる。
J-PASはジェイテクトが推進する新規事業の事業化第1弾となる(第2弾は「東京モーターショー2017」で披露したリチウムイオンキャパシター)。「J-PASは、世界シェアトップの電動パワーステアリング(EPS)の技術を応用して開発した。さまざまな路面においてドライバーの運転に合った適切な力を出さなければならないEPSの技術を基に『人の動きに調和したアシスト機能』を高いレベルで実現することができた。これまでの約1年半の開発期間において、当社の工場内での実証実験を重ねて完成度も高めた」(ジェイテクト 新規事業推進部 企画室 室長の小池充氏)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ジェイテクトが車載用リチウムイオンキャパシターを開発、85℃まで耐熱性向上
ジェイテクトは車載向けに高耐熱のリチウムイオンキャパシターを開発した。電極材料は外部から調達したが、混練や加工といった工程は、社内の専門部署で行った。リチウムイオンキャパシターの動作温度はこれまで60℃が限界だったが、材料の配合の工夫などにより85℃まで耐熱性を高めた。 - 電動パワーステアリング世界トップシェアは譲らない、ジェイテクトの戦略とは
電動パワーステアリング(EPS)で世界トップシェアを握るジェイテクト。同社は、EPSの世界トップシェアを維持するため、「上流から下流へ」向かうという事業戦略を展開している。 - 信号灯から始めるIoT、ジェイテクトが古い機械でも接続できる「見える化」を提案
ジェイテクトは、CPS/IoTの展示会として生まれ変わった「CEATEC JAPAN 2017」に初出展。古い機械でも簡単に稼働監視が行える「JTEKT-SignalHop」など、簡単にIoTによる生産革新に取り組めるソリューションを提案した。 - 人も共に成長する工場へ、ジェイテクトが描く「IoE」4つのステップ
MONOistを含むITmediaの産業向け5メディアは、セミナー「MONOist IoT Forum in 名古屋 〜先進企業の事例からひもとく製造業『第4次産業革命』の今〜」を開催した。後編では、ジェイテクトの特別講演とその他の講演内容をお届けする。 - 「IoE」を世界へ、ジェイテクト亀山工場が作る「見える化」の標準形
インダストリー4.0など工場のスマート化への動きが加速している。ジェイテクト亀山工場では「IoE」コンセプトをベースに独自機器により異種環境間のデータ取得を可能とし、生産性向上を実践する。同工場の取り組みを紹介する。 - ジェイテクト香川工場が挑むIoT活用、生産効率はどこまで高められるのか
自動車のトランスミッションやディファレンシャルギアなどに用いられる円すいころ軸受を生産しているジェイテクトの香川工場。スマート工場を実現するためのIoT活用として位置付ける「IoE(Internet of Everything)」をはじめ、同工場が取り組んでいる生産効率化に向けたさまざま取り組みを紹介しよう。