「IoE」を世界へ、ジェイテクト亀山工場が作る「見える化」の標準形:スマートファクトリー(1/4 ページ)
インダストリー4.0など工場のスマート化への動きが加速している。ジェイテクト亀山工場では「IoE」コンセプトをベースに独自機器により異種環境間のデータ取得を可能とし、生産性向上を実践する。同工場の取り組みを紹介する。
IoT(モノのインターネット)などを活用し、工場の生産性を高めるスマートファクトリーへの取り組みが大きな関心を集めている。スマートファクトリー化に向けてはさまざまな課題が存在するが、特に大きな課題となるのが「『つながる』をどう実現するか」と「人間と機械の関係性」という2つの点だ。
これらの位置付けを明確にし、さまざまな技術を用意して、実証を進めているのが、ジェイテクトである。ジェイテクトの「IoE」への取り組みと亀山第2工場での実証について紹介する。
ハブユニットの生産が好調なジェイテクト亀山工場
ジェイテクトの亀山工場(三重県亀山市)は、もともと深溝玉軸受やクラッチベアリング、クラッチ付きオルタネータプーリーなどを製造していたが、軸受生産体制の再編により、従来大阪府柏原市の国分工場で生産していた自動車用のボールハブユニットの生産も請け負うようになった。その受け入れのために新たに建設したのが第2工場である。第2工場は2016年に完成し、国分工場から徐々に生産設備なども移設しながら、生産を行ってきた。
亀山第2工場が請け負うようになった自動車用ハブユニットは需要が旺盛で生産能力は2015年に600万個だったが、2016年には700万個に拡大。2017年は800万個まで引き上げる方針を示している。しかし、生産能力を高めるためには、工場のスペースや生産設備などが限られる中で、生産方法の工夫が必要になる。そこでジェイテクトが取り組むのが、ITシステムを活用したスマート工場化である。自社が推進する「IoEシステム」を全面的に取り入れて、生産能力向上に取り組みつつ、「IoE」の実践的な成功の形を作り上げることを目指した※)。
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