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心臓の鼓動を正確に再現する人工筋肉、手術訓練シミュレーターに:医療機器ニュース
豊田合成とイービーエムは、電気で機能する人工筋肉「e-Rubber」を用いて、心臓の鼓動を正確に再現できる手術訓練シミュレーター「SupeR BEAT」のプロトタイプを共同開発した。2019年秋に販売開始を目指す。
豊田合成は2018年7月2日、イービーエム(EBM)と共同で、電気で機能する人工筋肉「e-Rubber」を用いて心臓の鼓動を正確に再現できる手術訓練シミュレーター「SupeR BEAT」のプロトタイプを開発したと発表した。
SupeR BEATは、心臓の動きを模擬するのに形状記憶合金の熱による伸縮を用いたEBMの現行品「BEAT」のハイエンド版。電気のオン・オフに速やかに反応して伸縮するe-Rubberを活用する。不整脈による複雑な拍動パターンや幼児の早い拍動数など、さまざまな状況を想定して細かな動作調整が可能で、より実際の手術に近い環境が再現できる。
同年6月30日には、EBMふくしま製造開発センター「FIST」で、SupeR BEATを使った冠動脈バイパス手術の模擬訓練を開催。執刀した心臓外科医らから高評価を得た。
両社は2017年11月より、外科手術技能の効率的な向上に貢献するシミュレーターの開発と普及に向け協働している。今後、SupeR BEATの2019年秋販売開始を目指し、さらなる高性能化を図るとしている。
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