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心臓外科向けシミュレーター、豊田合成の「振動発生ゴムシート」で開発:医療機器ニュース
豊田合成は、心臓外科領域を中心にシミュレーターの開発と訓練システムの構築を手掛けるイービーエムと協働活動契約を締結した。「e-Rubber」を用いた手術訓練シミュレーターの開発と普及を目指す。
豊田合成は2017年11月8日、イービーエムと「e-Rubber」を使った手術訓練シミュレーターの開発および普及に関する協働活動契約を締結したと発表した。イービーエムは、心臓外科領域を中心にシミュレーターの開発と訓練システムの構築を手掛ける早稲田大学発のベンチャー企業だ。
豊田合成が2013年に開発したe-Rubberは、低消費電力で振動を発生するゴムシートだ。このe-Rubberの技術と、イービーエムの手術訓練シミュレーター開発の知見を融合させ、よりリアルなシミュレーターの開発を進める。また、両社で協調して製品開発やマーケティングなどに取り組み、医療分野でのe-Rubberの活用を目指す。
医療の現場では、手術の高度化による安全性確保が重要視されている。今後両社は医師の技能向上のため、ヒトの臓器などの触感や動きを正確に再現した手術訓練シミュレーターの需要に応えるとしている。
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