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荷物を下ろすことに着目、ATOUNのパワーアシストスーツは“パワードウェア”へロボット開発ニュース

ATOUNは「人手不足対策展 2018」において、腰用パワーアシストスーツの新モデル「ATOUN MODEL Y」を披露した。2015年秋に発売した「ATOUN MODEL A」と比べて大幅な軽量化やコスト削減、機能向上を実現したことが特徴。2018年7月から出荷を始める。

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「ATOUN MODEL Y」の外観
「ATOUN MODEL Y」の外観(クリックで拡大)

 ATOUN(アトウン)は、「人手不足対策展 2018」(2018年7月18〜20日、東京ビッグサイト)において、腰用パワーアシストスーツの新モデル「ATOUN MODEL Y(以下、MODEL Y)」を披露した。2015年秋に発売した「ATOUN MODEL A(以下、MODEL A)」と比べて大幅な軽量化やコスト削減、機能向上を実現したことが特徴。2018年7月から出荷を始める。

 同社は2017年3月に、2003年にパナソニックの社内ベンチャー制度で設立されたアクティブリンクから社名を変更している。「開発型ベンチャーから、B2BだけでなくB2Cも意識したメーカーになること、そして商品開発のコンセプトとして常に大切にしている『“あうんの呼吸”で使える』にちなんでATOUNとした」(ATOUN 社長の藤本弘道氏)という。

 この社名変更に合わせて、同社の製品もパワーアシストスーツから、着るロボットを意識した“パワードウェア”としての提案を強化することとなった。今回展示したMODEL Yは、パワードウェアとしては初の製品となる。

「Model Y」で荷物を上げ下ろしする様子(クリックで再生)

 MODEL Yと、従来品であるMODEL Aとの最大の違いは、本体部に装着者の背部を支える構造が加わったことだ。両製品とも、物流や工場、農業などの作業現場で繰り返し行われる荷物の上げ下ろしの軽労化を目的としている。MODEL Yの開発では、このうち荷物を下ろす作業に着目。「持ち上げた荷物を、体に負荷が掛からないように姿勢をしっかり維持して下ろすには、背骨に沿って配置した背部を支える構造が必要になる」(藤本氏)という。さらに、ゆっくりと荷物を下ろせるように支える方向にパワーをアシストする「ブレーキ」機能も追加した。

パワーアシスト機能ブレーキ機能 「MODEL Y」の操作部。荷物を持ち上げるときのパワーアシスト機能だけでなく(左)、荷物を下ろすためのブレーキ機能も備えている(右)(クリックで拡大)

 この他、一体化したモノコック構造の本体部で背部と腰部を支えることにより全体の強度も高まっている。ねじをはじめ部品点数も削減できているので、軽量化とコスト削減にもつながっている。重量は、Model Aの7.4kgから約40%減の4.5kgとなり、価格も「販売パートナーが決めるので詳細は話せないが、かなり安くできたと思う」(藤本氏)という。なお、Model Aは約120万円だったので、少なくとも100万円未満にはなりそうだ。

 Model Yの仕様は、本体寸法が幅48.4×奥行き28×高さ81cm、アシスト力が最大10kgf、稼働時間が約4時間。動作環境は0〜40℃で、想定装着者は150〜190cmとなっている。

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