腰を支えるだけがアシストスーツじゃない、クボタの「ラクベスト」は腕を支える:2015国際ロボット展
クボタは、「2015国際ロボット展」において、ぶどうや梨の棚栽培など長時間腕を上げ続ける作業を軽労化するアシストスーツ「ラクベスト」の新製品「ARM-1D」を展示した。
クボタは、「2015国際ロボット展」(2015年12月2〜5日、東京ビッグサイト)において、ぶどうや梨の棚栽培など長時間腕を上げ続ける作業を軽労化するアシストスーツ「ラクベスト」の新製品「ARM-1D」を展示した。
ラクベストは、クボタがぶどうや梨の農家向けに開発した製品だ。ぶどうや梨は、果実を生育しやすい環境にするため棚栽培を行うことが多い。棚栽培では、受粉や剪定、摘果、収穫に至るまで、長時間腕を上げ続けて作業を行うことになる。作業者は、肩痛や体力的な問題から腕を下げて体を休めなければならず、作業効率は低下してしまう。
ラクベストは、腕を上げた状態を支えるタイプのアシストスーツだ。上半身に装着したスーツ本体とつながっている、腕に装着するアーム部を地面と水平になるようにロックすることで、肘までの上腕をそのロックされたアーム部で支える。このとき、スーツには腕の重量も加わるが、スーツは肩ではなく胴体で支える構造になっているので、肩に負担は掛からない。
ロック機構はソレノイドバルブを用いており、使用する電源は単三電池4本で済む。単三電池4本でも連続使用時間は8時間以上あり、1日作業する間は電池交換する必要がない。
2013年9月に発売した初代のラクベスト「ARM-1」は約150台を販売した。新製品となるARM-1Dは、垂直方向にロックできる角度範囲を拡大。水平方向に対して上側に90度、下側に90度、合計180度までロック範囲が広がった。メーカー希望小売価格は12万円(税別)である。
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