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産業機械のIoT化を支援、共創施設で作り上げる新たな機械のカタチ製造業IoT(2/2 ページ)

シュナイダーエレクトリックは産業機械のIoT化を支援するマシンソリューション事業を強化。世界各地に実証施設「マシンソリューションラボ」などを設置し、機械メーカーとの共創やノウハウの蓄積などに取り組んでいる。マシンソリューション事業のヘッドクォーターが設置されているドイツのマルクトハイデンフェルドにある同社最大のマシンソリューションラボを訪ねた。

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マシンソリューション事業の中心拠点の役割

 シュナイダーエレクトリックのマルクトハイデンフェルドの拠点は、産業機械向けの制御機器などの設計、開発、製造、品質検査などの一貫した機能を備えている。工場はコントローラーなどの制御機器のハイエンド製品やカスタム製品の製造に特化しており、年間の生産量は4万台だという。ハイエンド品やカスタム品であるので全数検査を行う体制だという。

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マルクトハイデンフェルドの生産ラインの様子(クリックで拡大)

 これらの機器開発や生産などに加えて「マシンソリューションラボ」を設置する。同社の「マシンソリューションラボ」の位置付けは、ユーザー企業との共創と実証の場である。シュナイダーエレクトリック インダストリービジネス マシンソリューションズのシニア・バイスプレジデントであるAli Haj Fraj(アリ・ハジ・フラジ)氏は「産業機械は業種や業態、地域や環境などに応じて求められる機能などが異なっている。できる限り顧客に近いところでニーズを拾い上げ、これらを共通の知見としてグローバルで共有し、シンプル化を進めていく」と述べている。このニーズを獲得する場として重要なのがマシンソリューションラボだというわけだ。

 マルクトハイデンフェルドで設置されたマシンソリューションラボは同社最大のものとなる。

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マシンソリューションラボの様子(クリックで拡大)

 マシンソリューション事業では「包装機」「飲料、食料系機械」「農業機械」「素材搬送機器」「材料加工機」「半導体、エレクトロニクス関係」「巻上機」「ポンプ」「HVAC」「冷凍機」の10領域を強化していることを先述したが、これらそれぞれの実証の場が用意されている。さらに「日々進化しており、新しい機器がどんどん付け加えられている」(同社)という。

photophoto 「ポンプ」(左)と「HVAC」(右)の実証設備(クリックで拡大)
photophoto 「搬送」の実証ライン(左)と同ライン内で使われているパラレルリンクロボット(右)。シュナイダーエレクトリックは産業用ロボットを保有していないが、マシンソリューション事業内では組み合わせて提供することもあるという(クリックで拡大)

 これらのソリューションの中で、機器でも製品ラインアップにない製品なども開発するケースがあるという。例えば、産業用ロボットはシュナイダーエレクトリックの製品としてはないが、ソリューションの一貫としては独自で開発して納入するケースもあるという。搬送でのパラレルリンクロボットの他、多関節のロボットアームなどもマシンソリューションラボ内には用意されていた。「一般的なロボットの開発を行うつもりはないが、顧客個別の特別対応のロボットについては必要であれば対応する。マシンソリューションラボはそういう検証も行えるのが特徴だ」(同社)としている。

(取材協力:シュナイダーエレクトリック)

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