「生産革新のノウハウ」を販売へ、オムロンが2020年度に500億円目指す:スマートファクトリー(2/2 ページ)
オムロンは2018年8月28日、同社が推進するモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」に関連する製品戦略を発表。2018年秋以降にハードウェアとノウハウなどを組み合わせたソリューションサービスの拡大を図り、2020年度には500億円の売上高の実現を目指す。
「i-BELT」でのサービス展開を本格化
「i-BELT」は、2018年7月には第1弾サービスとして「設備の異常予兆監視サービス」の提供を開始※)。これは製造設備の異常動作につながるデータを収集し、オムロン独自の分析技術を用いて解析することで、早期に異常を発見するというものだ。マシニングセンタの加工機や破損の多いベアリングを有する製造設備を対象とし、設備の"いつもと違う"状態を検知する。これにより、設備の異常動作による品質不良を未然に防止する他、突発的な故障を防ぎ設備の停止時間を最小化することを目指す。
※)関連記事:オムロンの現場データ活用サービスが本格始動、第1弾は「異常予兆監視」
今後はさらに自社実践によるノウハウを落とし込んだソフトウェアコンポーネントの開発を推進。予兆監視の他、自動調整や立ち上げ支援などのアプリ開発の他、適用する部品などの幅を広げていく。2018年秋には予知保全を実現するAIアプリなどを搭載した、AIコントローラーとAI予知保全ソフトウェア部品を提供する計画だ。まずは、シリンダー、ボールねじ、ベルトとプーリを対象とするが、「今後はさらに対応するラインアップを広げていく」(オムロン)としている。
さらに今後は「i-BELT」サービスの第2弾として現場課題をさまざまな粒度で見える化する「KPI Dashboard」の提供を計画する。工場全体や工程全体などのさまざまな現場情報をさまざまな切り口で見えるようにし、工場や現場責任者と現場担当者とのコミュニケーションツールとして活用する。
「i-BELT」の提供においては「ハードウェアだけでは提供価値は限られてしまう。ノウハウやサービスなども組み合わせて提供する」(オムロン)としており、ハードウェアだけでなく、コンサルテーションやシステムインテグレーションなども含めて提供を進めていく計画だ。使用環境としてはAIコントローラーなどのハードウェアが前提基盤とはなるが「AIアプリや対応するソフトウェアコンポーネント単体での販売なども可能だ」としており、ハードウェアにこだわらない「コト売り」を推進する方針である。
今後もさらに、製造現場の12のポイントに合わせて、製品やサービスのカバー範囲を広げ、価値の提供に取り組む計画だ。これらの「i-BELT」の拡大なども含め「i-Automation」関連の売上高は2020年度までに500億円を目指すとしている。
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