「生産革新のノウハウ」を販売へ、オムロンが2020年度に500億円目指す:スマートファクトリー(1/2 ページ)
オムロンは2018年8月28日、同社が推進するモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」に関連する製品戦略を発表。2018年秋以降にハードウェアとノウハウなどを組み合わせたソリューションサービスの拡大を図り、2020年度には500億円の売上高の実現を目指す。
オムロンは2018年8月28日、同社が推進するモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」に関連する製品戦略を発表。2018年秋以降にハードウェアとノウハウなどを組み合わせたソリューションサービスの拡大を図り、2020年度には500億円の売上高の実現を目指す。
オムロンの描く「i-Automation」とその12の価値
オムロンが描くモノづくり革新コンセプトの「i-Automation」は、「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の協調)」の3つの「i」での進化を製造現場の進化を目指すものだ。
「制御進化」は、制御技術を進化させて機械による高速化、高精度化を追求し生産性を向上させる取り組み、「知能化」はデータを収集して統合し、解析を行うことで革新に導く取り組み、「人と機械の協調」については、機械が人の能力を支援し拡張するような取り組みを意味している※)。
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オムロンではさらにこの「i-Automation」により製造現場にもたらす価値をさらに細分化。製造現場における「現場課題の特定」「課題真因、予兆の発見」「最適制御の実現」という3つの課題解決プロセスと、「生産管理」「品質保証」「設備効率」「エネルギー」の4つの要素を組み合わせることで、12のポイントでの提供価値を定め、これらに合わせた製品やサービスを提供するという。
これらの12のポイントで価値を提供するのに大きな役割を果たすのが「i-BELT」である※)。「i-BELT」は、オムロンが2017年4月に発表したAI搭載マシンオートメーションコントローラーを軸に、オムロンが保有する幅広い制御機器などからのデータを製造現場レベルで簡単に収集・分析し活用するためのIoTサービス基盤である。2017年10月から展開を開始している。
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「i-BELT」は「制御機器やセンサーなどの入力機器からのデータを、AIコントローラーを経由して同一フォーマット上で収集できるようにし、蓄積する」「蓄積したデータの見える化や分析を支援」「蓄積したデータ分析から得られた知見を制御アルゴリズムとしてAIコントローラーにフィードバック」という3つのステップで活用する。これらのデータサイクルを通じて、製造現場での各種ノウハウをソフトウェアコンポーネントやサービスモデルで提供できる点が特徴である。
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