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スマートファクトリー化で進む“モノづくり”の融合いまさら聞けない第4次産業革命(22)(1/3 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第22回となる今回は「スマートファクトリー化で進む“モノづくり”の融合」をテーマに、製造と設計の変化について説明します。

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本連載の趣旨

 本連載は、「いまさら聞けない第4次産業革命」とし、第4次産業革命で製造業が受ける影響や、捉える方向性などについて、分かりやすくご紹介していきたいと考えています。ただ、単純に解説していくだけでは退屈ですので、架空のメーカー担当者を用意し、具体的なエピソードを通じて、ご紹介します。

※)本連載では「第4次産業革命」と「インダストリー4.0」を、意味として使い分けて表記するつもりです。ドイツ連邦政府が進めるインダストリー4.0はもともと第4次産業革命という意味があります。ただ、本稿では「第4次産業革命」は一般用語として「IoT(モノのインターネット)による製造業の革新」を意味する言葉として使います。一方で「インダストリー4.0」はドイツでの取り組みを指すものとします。


本連載の登場人物

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矢面 辰二郎(やおもて たつじろう)

自動車部品や機械用部品を製造する部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長兼IoTビジネス推進室室長。ある日社長から「君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われたことから、話が始まる。多少優柔不断。印出研究所に入り浸っている。


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印出 鳥代(いんだす とりよ)

ドイツのインダストリー4.0などを中心に第4次産業革命をさまざまな面で研究するドイツ出身の研究者。第4次産業革命についてのさまざまな疑問に答えてくれる。サバサバした性格。


*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。

前回のあらすじ

第21回:「第4次産業革命で変わる検査と品質向上の取り組み

あらすじ背景

 従業員200人規模の部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長である矢面辰二郎氏はある日、社長から「新聞で読んだけど、君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われます。しかし、「第4次産業革命」といわれても「それが何なのか」や「どう自分たちの業務に関係するのか」がさっぱり分かりません。そこで、矢面氏は第4次産業革命研究家の印出鳥代氏に話を聞きに伺うことにしました。


 さて前回は、IoTやAI(人工知能)関連技術を活用した品質向上への取り組みについて紹介しました。ポイントは第4次産業革命で価値の源泉とされる「データ」でしたね。

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第4次産業革命のポイントは、IoTなどの技術でデータを取得して活用するハードルが大きく下がったということがカギだと説明してきたけれど、品質問題などにもこの「データ活用の範囲や頻度を広げる」ということが基本的な考え方じゃないかしら。


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なるほど。今まで取れていなかった品質情報や検査情報を取ったり、分析に活用したりするということですか。


 以前から品質向上に向けては、さまざまなデータを活用した取り組みが行われてきましたが、IoTやAI関連技術の進化によって、従来とれなかったデータを簡単に自動で取得できるようになり、さらに得た膨大な情報を分析し知見を見つけるという作業も大幅に簡単になってきました。これらにより「気付かなかった領域」や「やりたいけれど諦めていた領域」を「IoTなどを活用して自動化できないか」と考えるのが、良いのではないという話でしたね。

 さらに、トレーサビリティーやマスカスタマイゼーションを実現する上でも品質検査の負荷軽減が大きな意味を持つという話でした。

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将来的には検査の自動化領域拡大が製造業の「品質」にかかわるところでは大きなポイントになるんじゃないかしら。


 さて、今回はスマートファクトリー化の流れの中で進む、設計と製造の壁を破る動きについて紹介したいと思います。

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