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5分で分かる産業分野向けIoT「IIoT」とは5分で分かるIoT時代の製造ITツール(6)(2/2 ページ)

IoT時代を迎えて製造業のためのITツールもその役割を変えつつある。本連載では、製造ITツールのカテゴリーごとに焦点を当て、今までの役割に対して、これからの役割がどうなっていくかを解説する。最終回の第6回は産業分野向けIoTである「IIoT」だ。

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デジタルツインが製造プロセス/ビジネスモデルを革新

 IIoTは今後、現実世界とデジタル世界の両輪(デジタルツイン)によって製造プロセス/ビジネスモデルの革新をもたらします。

 製品から生産設備全体に至るまでの現実世界の要素が仮想世界で最適化され、工程作業が実世界で構築/検証され、運用することが可能になれば、製品のライフサイクル全体にわたって、最初に定義された現実世界の投影モデルであるデジタルツインの精度を向上させられます。

 デジタルツインのコンセプトにより、設計とテストから生産と運用まで、そしてデータの取得と分析からサービスの改善までの製品ナレッジのループを完成させた後、再び製品開発に戻って活用できます。

 このフローに沿って、製造の進化するデジタルエコシステムから複数の知見が得られ、ビジネス変革に貢献することが期待されます。

 例えば、近い将来、半自律型のロボットやエージェントによって支援された人間が、製品を仮想世界で作成した後、そのデータは従来の切削製造方法と付加製造が組み込まれた自動生産設備を備えた工場に転送され、そのデータから物理モデルが生成されます。さらに、これらの生産工程が実世界で実行されると、同じことが仮想世界でリアルタイムにシミュレートされ、実世界の現象と比較することにより、品質と予測的な設備保全を継続的に向上させる、そんな時代が来ると予想されています。



 全6回にわたって、IoT時代の製造ITツールについて「5分で分かる」解説を連載してまいりました。情報技術、通信技術、製造技術のブレークスルーにより、日本の製造業ビジネスは大きな転機に直面しています。本連載が、読者の皆さまの理解の一助となれば幸いです。

(連載完)

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