LPWAベースのIoTプラットフォームを国内外に提供:製造ITニュース
インターポレーションが、独自に開発した「Interpolation Platform」を日本および海外で提供開始する。LPWAネットワーク管理ツール、データ可視化ツール、複数のクラウドを同時管理できるツールの3つで構成されるIoTプラットフォームだ。
インターポレーションは2018年6月15日、独自に開発したIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Interpolation Platform」を、日本をはじめ米国、欧州、東南アジアで提供開始した。
Interpolation Platformは、LPWAネットワークの管理ツール「NOCXX(ノックス)」、データの可視化ツール「VIZIXX(ビジックス)」、複数のクラウドを同時に管理する「STACXX(スタックス)」の3つで構成される。現在提供中のNOCXXに、VIZIXXとSTACXXを新たに加え、トータルなIoTプラットフォームとしてサービスを開始する。
NOCXXは、LPWAネットワークの構築に必要なゲートウェイやセンサーをWebサイトから登録し、監視やオン・オフの切り替えができる。APIを用意しており、サービス提供者が各自のアプリケーションからNOCXXの全機能をコントロールできる。同ツールの提供プランには、サービス開発やテスト時に検証用として3カ月間無料で使える「フリープラン」をはじめ、サービスの規模に応じて「ビジネス」「エンタープライズ」を用意する。
データ可視化ツールのVIZIXXは、NOCXXと連携して、無償でセンサーデータを可視化できる。各グラフの他に数字ディスプレイや地図データも表示可能だ。データの必要性や傾向を判断する初期判断ツールのため、ビジネスではカテゴリー別の各アプリケーションに接続して運用する。
STACXXでは、センシングされたデータの保存先となる複数のクラウドを、1つのコンソールから管理できる仕組みを構築している。AZURE、AWS、OVHといったパブリッククラウドサービスに順次接続していく。
同プラットフォームは、IoTの本質的なユーザーである運用担当者などに向けたもので、操作性を重視したユーザーインタフェースとユーザーエクスペリエンスを特長とする。開発やコーディングは不要で、センシングからレポーティングまでワンストップで提供する。
現在は、NOCXXがLoRaWANの通信プロトコルに準拠しており、同年秋にはLTE-MやNB-IoT、Sigfoxなどの通信プロトコルにも対応する予定。今後同社では、さまざまなIoT通信の管理が可能なツールとして、Interpolation Platformの提供範囲を拡大していく。
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