インテリジェントなエッジとクラウドの連携からマイクロソフトが生み出すもの:de:code 2018 基調講演(2/2 ページ)
日本マイクロソフトが開発者向け年次イベント「de:code 2018」(2018年5月22〜23日)を開催。初日の基調講演では、クラウドプラットフォーム「Azure」や統合開発環境「Visual Studio」、MR(複合現実)などの最新技術について来日した米国本社の担当者が紹介した。
世界20億人のファーストラインワーカーをMRで支援
米国マイクロソフト MRスタジオ ゼネラルマネジャーのロレイン・バーディーン(Lorraine Bardeen)氏は、「マルチセンサー、マルチデバイス」の取り組みにおいて、MRの果たす役割の重要性を説いた。
マイクロソフトは「Microsoft 365」などの業務アプリケーションと「Microsoft Graph」によりデジタル世界のデータを収集している。これと現実世界のデータを組み合わせる上で役立つのが、ヘッドマウントディスプレイ「HoloLnes」を用いた空間データの投影だ。バーディーン氏は「モダンワークプレースには、ナレッジワーカーとファーストラインワーカーがいる。顧客や現場の問題に最初に気付くファーストラインワーカーは世界に20億人いるといわれているが、MRでその活動を支援したい」と強調。ドイツの大手ティア1サプライヤーであるZFや、ドイツの鉄鋼部品メーカーであるティッセンクルップの採用事例を紹介した。
また、新たなMRのビジネスアプリケーションを2つリリースしている。リモートでの共同作業を支援する「Microsoft Remote Assist」と、MRによる空間設計を可能にする「Microsoft Layout」である。
「Azure」と日立の「Lumada」が緊密に連携
基調講演の最後には、日本マイクロソフト 社長の平野拓也氏が登壇。注力分野としてMR、IoT、AIの3つを挙げ、日本での活動状況を紹介した。
MRでは、Microsoft Mixed Realityパートナープログラムに、セック、ポケット・クエリーズ、シャンティ、電通国際情報サービスが新たに加わった。IoTでは、2016年に13社で立ち上げた「IoTビジネス共創ラボ」の参加企業が、現在では435社まで増えているという。さらに平野氏は、IoT関連の取り組みとして、日立製作所のIoTプラットフォーム「Lumada」とAzureが連携していく方針を示した。既にさまざまな採用事例で両社は連携しているが、今後より緊密な関係を築いていくことになりそうだ。
AIについては、日本マイクロソフトで開発を進めているソーシャルAIチャットボット「りんな」が、会話エンジンの共感モデルを次世代に移行することを発表。また、米国で発表済みの、障害者を支援するAI技術への投資プロジェクト「AI for Accessibility」に基づき、開発者コミュニティー「Accessibility Developer Community」を日本支援技術協会と連携して設立したことも発表している。
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