インテリジェントなエッジとクラウドの連携からマイクロソフトが生み出すもの:de:code 2018 基調講演(1/2 ページ)
日本マイクロソフトが開発者向け年次イベント「de:code 2018」(2018年5月22〜23日)を開催。初日の基調講演では、クラウドプラットフォーム「Azure」や統合開発環境「Visual Studio」、MR(複合現実)などの最新技術について来日した米国本社の担当者が紹介した。
日本マイクロソフトが開発者向け年次イベント「de:code 2018」(2018年5月22〜23日)を開催。初日の基調講演では、クラウドプラットフォーム「Azure」や統合開発環境「Visual Studio」、MR(複合現実)などの最新技術について来日した米国本社の担当者が紹介した。
マイクロソフトは、インテリジェントなエッジとクラウドが連携することでパラダイムシフトが引き起こされる世界を描いている。そのために開発に注力しているのが「ユビキタスコンピューティング」「AI(人工知能)」「マルチセンサー、マルチデバイス」という3つの技術である。これを前提として、AzureとVisual Studio、MRの最新技術が報告された。本稿では、製造業と関わりの深いAzureとMRの講演内容を中心に紹介しよう。
生産の高い「Azure IoT」でアプリケーション開発を容易に
米国マイクロソフト Azureマーケティング コーポレートバイスプレジデントのジュリア・ホワイト(Julia White)氏は、Azureの特徴として高い生産性(Productive)、オンプレミスとのハイブリッド環境(Hybrid)、AIとの組み合わせによるインテリジェント化(Intelligent)、高い信頼性(Trusted)の4つを上げる。
高い生産性につながる技術として、Azureではコンテナとサーバレスアキテクチャを重視しているが、新たな機能として1秒当たり数百万のイベントデリバリーを可能にする「Azure Event Grid」が追加された。Azure Event Gridを活用することで、サーバレスかつコードレスでアプリケーションを開発できるという。
IoT(モノのインターネット)関連では、クラウド上でIoTアプリケーションを簡単に開発できる「Azure IoT Hub」と、エッジ側にIoTアプリケーションを容易に組み込める「Azure IoT Edge」がある。講演の中では、Azure IoT Hubを活用することでBluetooth Low Energyボタンを押すとTwitterへの投稿を行うアプリケーションを5分間で作成するデモや、Azure IoT Edgeによって「Raspberry Pi」にAzureの画像認識機能をコンテナ(Docker)ベースで組み込めるデモを披露。ホワイト氏は「AzureであればIoTアプリケーション開発にすぐに取り組める」と述べた。
またAIモデルの開発についても、最も手間が掛かるといわれるデータ準備に「Azure Databricks」を活用でき、学習もさまざまなフレームワークに対応する「Azure Machine Learning」で行える。実装についても、コンテナ経由でAzure IoT Edgeなどに簡単に実行できるという。
さらに世界のトップ500社のうち90%以上がマイクロソフトのクラウドを利用しているとともに日本企業も多数採用しており「高い信頼を得ている」(ホワイト氏)とした。
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