ニュース
4年間の開発で当初の企画が時代遅れに、パイオニアが背負った大型受注の開発費:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
パイオニアは、2018年3月期決算を発表した。売上高は前期比5.5%減の3654億円、営業利益は同71.3%減の11億円、当期純損益は71億円の損失だった。売上高と当期純損益は3期連続、営業利益は4期連続での悪化となる。
小谷氏は代表権のない会長に
パイオニアは決算発表と同日に、社長交代の人事も発表した。取締役兼常務執行役員の森谷浩一氏が代表取締役兼社長執行役員に就任し、経営体制の刷新と世代交代を進める。 森谷氏は1957年8月生まれの60歳で、1950年生まれの小谷氏から若返りを図る。森谷氏は4つの経営課題を踏まえて事業の見直しを進め、早期の黒字化と業績回復を目指す。
森谷氏は経営課題として、カーエレクトロニクスOEM事業の抜本的改善、経営資源の再配分、オペレーションの精度向上と経営管理体制の強化、フリーキャッシュフローの創出の4つを挙げる。確実に利益を生める体制に移行し、ソリューション型ビジネスや新規事業の拡大、高精度地図やライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)といった自動運転関連に稼いだ利益を集中的に投資できるようにする。
小谷氏は代表権のない取締役兼会長執行役員に就任し、対外的な活動に置いて新社長をサポートする。2018年6月27日に開催予定の定時株主総会と取締役会を経て正式に決定する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- なぜ映像が浮かび上がるの? 近未来のカーナビが登場した
近未来のカーナビが登場した。それはパイオニアが開発した「サイバーナビ」。ルート情報が走行風景と重なって見えるモノだが、本当に安全なのだろうか。実証実験を行った北里大学の教授とパイオニアの開発担当者に話を聞いた。 - パイオニアが自動運転向けライダーをサンプル出荷、2017年9月下旬から
パイオニアは2017年9月下旬から車載用ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)のサンプル出荷を開始する。国内外の自動車メーカーや、地理情報システム(GIS)を手掛けるICT企業向けに提供し、一般道でのレベル3以上の自動運転車や、次世代GISサービスでの採用を目指す。量産化は2020年以降としている。 - 後付け可能な先進運転支援システム、パイオニアと東京海上日動がドラレコで提供
東京海上日動火災保険は、通信型ドライブレコーダーを貸与する自動車保険特約を開始する。事故が発生した場合、映像を活用した示談交渉や自動通報に対応する。ドライブレコーダーはパイオニアと共同開発したもので、パイオニアの「事故リスク予測プラットフォーム」を活用して、事故発生の可能性が高い場合に注意喚起する機能も備えている。 - パイオニアとHEREが業務資本提携、23億円を相互出資し位置情報技術の協力を強化
パイオニアと地図データ大手のHERE Technologies(以下、HERE)は、業務資本提携に合意したと発表した。これまでの協力関係を資本提携によって強化していく。 - パイオニアはライダーで前方監視、室内に後付けできるタイプも開発中
パイオニアは、「東京オートサロン2017」において、自動運転車のコックピットを提案した。周辺監視や運転操作を全てシステムに任せる間の過ごし方や、自動運転から手動運転に安全に切り替える工夫を紹介。また、開発中の前方監視用ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)も披露した。