施工現場のIoT化を実現するソリューション、「見える化」や進捗管理など:製造ITニュース
日立建機は、施工現場の見える化や進捗管理、指定エリアへの進入を通知する機能を持つIoT施工ソリューション「Solution Linkage Mobile」の販売を開始する。機械および人の現在地や位置履歴を、ほぼリアルタイムに確認できる。
日立建機は2018年4月12日、施工現場の見える化や進捗管理、指定エリアへの進入を通知する機能を持つIoT(モノのインターネット)施工ソリューション「Solution Linkage Mobile」の販売を開始すると発表した。
同ソリューションは、同社のICT・IoTソリューション「Solution Linkage」の一環として、「もっと手軽に現場をIoT化」をコンセプトに、スマートフォンなどのモバイル端末を活用して施工現場の機械と人をつなぐものだ。
同ソリューションの特徴の1つ目は、施工現場の「見える化」だ。機械および人の現在地や位置履歴をほぼリアルタイムに確認でき、段取り作業の効率化により生産性向上に貢献する。また、サービスソリューション「ConSite」との連携により、事務所や土木・建設現場で、機械のアラーム内容やConSite定期レポートをモバイル端末で確認できる。
2つ目は、施工現場の進捗管理の機能。ダンプトラックの位置情報を活用し、土運搬回数をほぼリアルタイムに確認できる。機械や人が滞在していた場所を、事前に設定したエリアごとに色分けして時系列表示でき、工程管理や段取り検討に加え、人材の育成にも役立てられる。3つ目の特徴は、エリア検知機能で、指定エリアへの進入を自動的に検知して対象者に通知する。
オプションとして日報の機能があり、ダンプトラックの積込場や捨て場における到着時刻、運搬量などの運搬履歴をExcelに既存のフォーマットで出力できる。また、ヘルスケア機能も搭載。リストバンド型の活動量計で取得した脈拍数を基に、個人ごとの身体の状態を把握できる。
同ソリューションに対応するモバイル端末は、兼松コミュニケーションズとの連携により、「管理者」「オペレーター・運転手」「作業員」向けのスマートフォンおよび「建設機械」「ダンプトラック」向けの車載専用GPS端末を提供する。手持ちのスマートフォン(Android5.0以上)でも利用可能だ。
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