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レジ自動化はどこまで可能か、生体認証やRFID、画像認識でレジレスにたどり着け:リテールテックJAPAN2018(4/4 ページ)
「リテールテックJAPAN 2018」で注目を集めたのが、レジの自動化につながるソリューションの展示だ。NEC、富士通、日立製作所、SCSK/サインポスト、ヴィンクス/パナソニック、大日本印刷のレジ自動化関連の展示についてレポートする。
電子透かしで商品読み取りを効率化
レジ自動化ソリューションの購入商品の読み取りでは、画像認識技術とRFIDがせめぎ合っているのはここまで紹介した通りだ。
筆者が個人的に興味深かったのは、大日本印刷が展示していた電子透かし「Digimarc Barcode」による読み取りだ。
Digimarc Barcodeは、商品のパッケージやシール、ラベル全体に細かなドットパターンである電子透かしを印刷する技術だ。従来のバーコードは、バーコードを探してバーコードリーダーで読み取らなければならないが、Digimarc Barcodeは電子透かしの印刷面の一部だけでもカメラなどでスキャンできれば読み取りが完了する。例えば、商品全体に電子透かしを印刷しておけば、読み取り機の上を通すだけで読み取れるのだ。
「Digimarc Barcode」のデモの様子。RFIDで読み取れない場合でも、電子透かしは簡単に読み取れる(左)。Digimarc Barcodeをパッケージやラベルに印刷した商品。パッケージに印刷している細かなドットパターンはほぼ判別できない(クリックで拡大)
米国のある小売チェーンがPB商品に採用しており、レジ作業の大幅な効率化につなげているという。「当社は、レジ自動化ソリューションに用いられているRFIDも手掛けているが、いきなりレジレスやレジの無人化には行かないとみている。人による作業を残るであろうPOSレジでは、まずはDigimarc Barcodeのような作業効率化が求められるのではないか」(大日本印刷の説明員)としている。
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