カメラを使わずレーダーで顧客動態を見える化、NECがサービス提供へ:リテールテックJAPAN2018
NECは、「リテールテックJAPAN 2018」において、店舗における顧客動態をカメラを使わずにレーダーで見える化するサービスを紹介した。現在実証実験による顧客からの評価を受けており、2018年6月の発売を予定している。
NECは、「リテールテックJAPAN 2018」(2018年3月5〜9日、東京ビッグサイト)において、店舗における顧客動態をカメラを使わずにレーダーで見える化するサービスを紹介した。現在実証実験による顧客からの評価を受けており、同年6月の発売を予定している。
店舗における顧客動態の見える化では、カメラを使うのが一般的だ。しかし、浴場やサウナなどカメラを設置できない場所があったり、最近では個人情報保護の観点からカメラを設置するための認可取得に手間がかかるようになっている。
今回展示したサービスは、24GHz帯のマイクロ波レーダーを用いることにより、個人情報を取得せずに顧客動態を把握できることが特徴になる。また、マイクロ波が水(体の60%が水分の人も含む)と金属以外のものを透過するため、壁の中などに設置することもできる。
さらに、ハードウェアとして、検知範囲45度、検知距離10mのマイクロ波レーダーユニットと、携帯電話通信が可能なSIMカードを組み込んだルーターだけで構成しているので設置が容易だ。利用料金も1カ月当たり2万5000円弱と比較的安価である。
「カメラのように、顧客の性別や年齢を見分けたりすることは難しいし、正確な人数も把握できるわけではない。しかし、顧客の動態はしっかり見れるので、カメラを設置する前のファーストステップとしての利用も可能だ。設置がかなり簡単で、短期利用もできるのでぜひ試してほしい」(NECの説明員)という。
関連記事
- 車載準ミリ波レーダーは欧州製から日本製へ、新型「カムリ」や「CX-5」が採用
デンソーが新たに開発した24GHz帯準ミリ波レーダーが、トヨタ自動車の新型「カムリ」に採用された。マツダの新型「CX-5」も古川AS製の24GHz帯準ミリ波レーダーを採用している。従来は欧州製が多かった市場だが、国内サプライヤーが相次いで参入している。 - 世界最小クラスの長距離ミリ波レーダー、従来比50%以上の小型化で2020年に量産
日立オートモティブシステムズは、車両走行中に遠距離の障害物を検知する、遠距離レーダーとして世界最小クラスの77GHz前方ロングレンジミリ波レーダーを開発した。従来の試作品では対応していなかった上下方向の検知が可能になった。 - 介護施設や保育施設を見守るミリ波レーダー、79GHz帯化で10分の1サイズに
京都大学のCenter of Innovation(COI)とパナソニックは、離れたところから高精度に心拍数と心拍間隔を計測できる生体情報センシングセンサーを小型化/高感度化した「非接触ミリ波バイタルセンサー」を共同開発した。2018年度に保育施設などで予定されている実証実験を経て、さまざまなアプリケーションの検討を進めていく。 - ミリ波レーダーで居間にいる家族全員の心電図が見られる、センサーは10cm角に
パナソニックと京都大学が、両者が共同開発しているミリ波レーダーを用いた非接触の生体情報センシング技術について説明。心拍だけでなく心拍間隔も計測できる高い精度と、測定対象が1人だけでなく複数人数の同時計測が可能な点が特徴。将来的には、センサーモジュールを10cm角まで小型化することも視野に入れている。 - 四六時中「見」守られたくないからレーダーがいい
誰かにずっと見られてるのは嫌だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.