東洋エンジニアリングがB-EN-G株式を全て売却も「良好な関係は続く」:製造マネジメントニュース
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、同社筆頭株主の東洋エンジニアリングと第2位の主要株主である野村総合研究所がB-EN-Gの株式を全て売却することを発表した。これにより、B-EN-Gが1999年に東洋エンジニアリングから分社独立して以来の両社の資本関係はなくなるが「東洋エンジニアリングとの良好な関係は続く」(B-EN-G)という。
東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は2018年3月14日、同社筆頭株主の東洋エンジニアリングと第2位の主要株主である野村総合研究所がB-EN-Gの株式を全て売却することを発表した。これにより、B-EN-Gが1999年に東洋エンジニアリングから分社独立して以来の両社の資本関係はなくなることになる。また、B-EN-Gと野村総合研究所の資本業務提携も解消される。
併せてB-EN-Gは、三谷産業、ウイングアーク1stとの資本業務提携を発表。東洋エンジニアリングと野村総合研究所が持つB-EN-Gの株式は、三谷産業とウイングアーク1stの他、インテック、キヤノンITソリューションズなどの協業先、取引先数社などに立会外取引で売却された(野村総合研究所のB-EN-G株式の一部は3月23日までに売却予定)。
B-EN-G株式の持株比率は、東洋エンジニアリングが32.4%、野村総合研究所が14.0%だった。両社はこれらのB-EN-G株式を全て売却する。B-EN-G株式の3月14日時点の終値1759円で換算すると、東洋エンジニアリングは約34億円、野村総合研究所は約14億7000万円の売却益を得ることになる。
新たにB-EN-G株式を取得する企業の持株比率は、資本業務提携先となる三谷産業が12.4%、ウイングアーク1stが8.0%。協業先、取引先については、インテック、キヤノンITソリューションズが6.0%、テクノスジャパンが3.0%、テラスカイとアバントが0.9%、日本コンピュータシステムが0.3%など。
なお、B-EN-Gの筆頭株主は持株比率が14.0%の図研となる予定だ。三谷産業が第2位の主要株主となる。
東洋エンジニアリングの業績が悪化、B-EN-G株式の売却で補填
東洋エンジニアリングは、2018年2月に発表した2017年度第3四半期決算において、米国エチレンプロジェクトの収支悪化によるコスト増により通期業績を大幅に下方修正した。2017年度の業績見込みは、売上高が当初予想比200億円減の3500億円、営業損益は同245億円減の180億円の赤字となっている。B-EN-G株式の売却は、この赤字補填に必要になったとみられる。なお、B-EN-Gによれば「株主ではなくなっても、東洋エンジニアリングとの良好な関係は続く。社名も、東洋ビジネスエンジニアリングから直ちに変更するといった予定はない」という。
野村総合研究所との資本業務提携解消は、東洋エンジニアリングの件とは別に、業務提携の目的に照らし一定の成果を果たせたとの認識に至ったことによる。「野村総合研究所とも良好な関係は継続する」(B-EN-G)としている。
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