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見える、見えるぞ! 私にも腰が痛いアイツが!! 作業者の姿勢が検証可能なVRVRニュース

B-EN-Gの3D動作分析システム「mcframe MOTION」とサイバネットが提供するVRシステム「バーチャルデザインレビュー(VDR)」を連携させた3D設計レビューシステム「mcframe MOTION VR-design review」は、ユーザーの関節ごとの動きをKinectのセンサーで取り込み、3Dマネキンを用いてその動きを再現できる。

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 東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)とサイバネットシステムは「mcframe MOTION VR-design review」(MOTION VR-DR)を発表し、2017年10月2日から販売開始している。同製品はB-EN-Gの3D動作分析システム「mcframe MOTION」とサイバネットが提供するVRシステム「バーチャルデザインレビュー(VDR)」と連携させた3D設計レビューシステムである。販売価格は1インストール当たり750万円から(税別、PCやHMDなどのハードウェアを除く)。HMDについては、「HTC VIVE」と「Oculus Rift」について動作検証済みであり、今後発売される新製品についても随時検証していくということだ。

 両社は3Dデータ軽量化フォーマットのXVLを使用したMOTION VR-DRのデモンストレーションを披露した。同製品はXVLに限らず、OpenGL系のさまざまな3D CADデータが扱える。


デモの様子

 MOTION VR-DRは、モーションセンサーである「Kinect」で撮影した人間の頭部や手足の各関節の動きを取り込み、3Dマネキン(棒人間)を用いてその動きを再現できることが特長だ。30分の1秒間隔でデータを取得し、リアルタイムに再現できる。3Dマネキンの数は増やすことも可能だ。ユーザーの体格ごとの設定は特に不要で、センサーの前に立つと頭部や手足の関節を自動検知し、システム内に取り込んでいく。動作の再現の他、取り込んだ動作の座標値や角度、動線データ(動作の軌跡)が取得できるため、3Dモデルによる直感的把握と実測値による理論的把握が併せて行える。


ユーザーの動作の座標や動線を表示する

 ユーザーがHMDを装着して、VR空間に没入して設備での作業を想定した動作をすると、HMDの外の画面にいるマネキンがその動作を再現する。画面右の柱には、動作の座標値や導線の長さを表示する。

 オプションとして、座標値からユーザーの無理な姿勢を自動検知する「Work Posture」も提供する。過度な背伸びや、腰を深く曲げるなど、無理な姿勢を取っている場合には、右柱にある各部位の測定値がハイライトするようになっている。Work Postureの価格は200万円。


Work Posture:苦しいところは赤くなる(画像右の数値一覧部)

 VDRとの連携により3D CADのデータを直接VR空間に表示できるため、VRレビューでの気付きや問題に基づいてその場で修正し、さらに修正データをVR空間に戻して再確認といったことが行える。従来の仕組みでは3D CADデータをVR空間に表示したい場合は、専用のフォーマットに変換してコンテンツ作成する必要があった。

 VR空間には機構のモーションデータも取り込め、かつ3Dデータで部品や製品の衝突や接触も再現可能で、モノをつかめるようにすることも可能だ。ただしこちらはユーザーの希望により実装可能ということだ。


生産ラインの3Dデータとモーションデータを取り込み、製品を持ってラインに乗せる検証をする

 今後は3Dスキャナーなどから取得する点群データを取り込む機能の実装を予定しており、2018年4月以降のリリースを目標としている。

 MOTION VR-DRを活用し、設計や関連部署とのレビューの際のコミュニケーションやデータ連携の障壁を減らすことで、開発早期に問題発見や気付きを促し、手戻りの削減と品質向上が期待できるとしている。設計レビューの他、技術者教育や作業改善にも活用可能だ。mcframe MOTIONには、計測データを用いて作成した表やグラフを取り入れたレポート作成機能や分析機能も備える。

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