デンソーが東芝情報システムと資本提携、「さらなる資本関係強化も」:車載ソフトウェア
デンソー、東芝デジタルソリューションズ、東芝デジタルソリューションズのグループ会社である東芝情報システムは、デンソーが東芝情報システムの発行済み株式総数の20%を保有する資本提携に関する契約を締結した。デンソーは、東芝情報システムを組み込みソフトウェア戦略パートナーとして、車載ソフトウェアの開発力強化を図る。
デンソー、東芝デジタルソリューションズ、東芝デジタルソリューションズのグループ会社である東芝情報システムは2018年1月15日、デンソーが東芝情報システムの発行済み株式総数の20%を保有する資本提携に関する契約を締結したと発表した。株式取得金額に関する情報は非公開。
デンソーが資本提携する東芝情報システムは、電気自動車をはじめとした車載電動化技術、急速な発展を遂げるADAS(高度運転支援)/自動運転技術において、組み込みソフトウェアの高い開発力と豊富な実績を持つ。デンソーは、東芝情報システムを組み込みソフトウェア戦略パートナーとして、車両に搭載されるソフトウェアの開発力強化を図る。
東芝情報システムの資本金は10億円。今回の発表前の出資比率は、今回の発表前の東芝デジタルソリューションズが91.25%、東芝デバイス&ストレージが8.75%だった。資本提携により、これらのうち20%をデンソーが保有することになる。
東芝情報システムとの資本提携により、デンソーと東芝グループの協業はさらに拡大している。加えて、「今後も3社は、戦略パートナーとして組み込みソフトウェア事業、IoT(モノのインターネット)を活用したモノづくりなどにおける協業関係や資本関係の強化検討を進める」(リリース文より)という。
デンソーと東芝は2016年10月、ADAS/自動運転分野における画像認識システム向けのAI(人工知能)技術の共同開発を発表。東芝がAI技術を搭載した画像認識プロセッサを2018年ごろからサンプル出荷し、デンソーは2020年以降にシステムの実用化を目指すとしていた(関連記事:ディープニューラルネットワークで自動運転向け画像認識、デンソーと東芝が共同開発)。
そして2017年4月には、ADAS/自動運転分野に加え、IoTを活用したモノづくりまで協業範囲を拡大。「デンソーが自動車市場で培った高度な技術力やモノづくり力と、東芝が持つ画像認識技術、IoT/AI技術、ソフトウェア開発技術を融合させることにより、自動車業界を取り巻くパラダイムシフトを勝ち抜くための競争力を強化する」(リリース文より)としている(関連記事:デンソーと東芝が協業拡大、自動運転に加え「IoTを活用したモノづくり」も)。
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