車いす型パーソナルモビリティ「WHILL」の研究開発用モデルを発売:ロボット開発ニュース
WHILLは、外部から制御可能な研究開発用途のパーソナルモビリティ「WHILL Model CR」の予約販売を開始した。スマートモビリティの開発や自律ロボットを研究するプラットフォームとしての利用を想定する。
WHILLは2017年12月19日、外部からの制御が可能な研究開発用途のパーソナルモビリティ「WHILL Model CR」の予約販売を開始した。スマートモビリティ技術の開発や、自律ロボットを研究するプラットフォームとしての利用を想定している。出荷開始は2018年2月の予定で、本体価格は75万円(税別)となっている。
今回の製品は、従来品のパーソナルモビリティ「WHILL Model C」の仕様を基本としながら、外部機器から入力信号を送信して本体を制御し、本体の情報を外部機器で取得できる。センサーとして、加速度センサー、モーターエンコーダーを搭載。通信方式はRS232Cで、取得できる情報は、速度、加減速値、エンコーダー情報、加速度センサー値、コントローラー入力情報、バッテリー情報などだ。
横幅55cmのボディーと、前輪に採用した独自開発のオムニホイール(全方位タイヤ)により、最小回転半径は約76cmと小回りがきく。また、オムニホイールと高出力モーターにより、最大5cmの段差を乗り越えられる。
電源には10Ahリチウムイオンバッテリーを採用し、5時間の充電で約16km走行、約1000回の充電が可能(走行距離や充電回数は環境などにより変化)。また、USB接続で外部デバイスに電源を供給できる。容量20Lのショッピングバスケットをボディー下部に標準装備し、デバイスの収納が可能。オプションでスマートフォンホルダーやミニバスケットも取り付けできる。本体サイズは550×985×740〜940mm、本体重量は約52kgだ。
WHILLでは、パーソナルモビリティ利用者の安全で快適な移動や、介護従事者の負担低減のための技術へのニーズが高まっているとし、走行時の安全性を高める自動停止機能・障害物回避機能の開発や、介護従事者や介護者の負担を低減する追従走行機能の開発などで、同製品の活用を見込む。
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