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Pepperを動かす「アプリ」を作ろう〜まずはSDKの基本的な使い方を習得するPepperで始めるロボットプログラミング(1)(1/4 ページ)

パーソナルロボット「Pepper」の一般販売が間もなく開始され、“ロボットのある生活”がまた一歩近づいた。Pepperの注目点はいくつもあるが、その1つが、自由なアプリ開発だ。ここでは配布されているSDKを使ってのロボットプログラミングに挑戦する。

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 さあ、2015年が幕を開けた。今年はいよいよ、ソフトバンクのホームロボット「Pepper」の一般販売が開始される。何と言っても注目はその価格。身長約120センチと小学生とほぼ同サイズながら、驚きの19万8000円(税別)という安さなのだ。これでロボットが“一家に一台"”の当たり前の存在になるかどうかはまだちょっと分からないが、ロボット業界では歴史的な出来事になることはほぼ間違いないだろう。

 Pepperが面白いのは、サードパーティーのアプリケーションをインストールできるという、まるでスマートフォンのようなエコシステムを構築していることだ。既にPepper用のSDKが配布されており、誰でも自由にアプリケーションを開発できる環境が整っている。ならばやってみようというわけで、この連載では、Pepperをプラットフォームとしたロボットプログラミングについて、紹介していくことにしたい。

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これが「Pepper」

……と言っても、大半の人はPepperを持っていないだろうが、心配は無用だ。SDK上の仮想ロボットである程度は動作テストができるし、秋葉原に行けば、本物のロボットを試用できる施設が準備されている。そしてプログラミングが分からなくても大丈夫だ。GUIベースのツールが用意されているので、命令のブロックを置いて繋げるだけでもアプリケーションを作ることができる。気楽にロボットプログラミングの扉を叩いて欲しい。

Pepperはどんなロボット?

 Pepperは、身長120.85cmのヒューマノイドロボットである。これは小学2年生の平均身長とほぼ同じ。大きすぎると相手に威圧感を与えてしまうし、小さすぎると“家族”のような感じがしない。このくらいのサイズがちょうど良いのだろう。ただ、こんな大きさのロボットになると、転倒時にはほぼ確実に破損すると思われるので、扱いには注意したいところだ。重量は27.82kg。

 腕は、肩に2軸(ピッチ/ロール)、肘に2軸(ヨー/ロール)、手首に1軸(ヨー)の自由度があり、かなり人間に近い動きが可能。また指も動くようになっているのだが、5本指を同時に動かす仕組みのため、グーとパーはできるものの、チョキのような動きはできない。指のトルクはそれほど大きくないので、これは物を持つというより、どちらかというと表現力の向上を狙ったものだろう。

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ちゃんと5本指を備えている。指紋のような模様も見える

 一方下半身であるが、さすがに2足歩行ではなく、車輪による移動機構を採用している。車輪はオムニホイールを使用しており、360°どの方角にも進むことが可能。2足歩行だと転倒の危険性が大きくなってしまうし、バッテリーの持続時間も短くなるので、車輪の採用は現実的な判断だろう。Pepperは大容量(795Wh)のリチウムイオンバッテリーを内蔵していることもあり、12時間以上の連続稼働が可能となっている。

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Pepperの底面。オムニホイールが3輪装備されている

 各所にセンサー類を内蔵。頭部の2Dカメラ、3Dカメラ、マイク、スピーカによって、人を認識して会話できる。頭部と手の甲にはタッチセンサーも入っており、頭をなでられたり、握手されたりしたときに反応することができる。またプログラミングであまり意識することはないだろうが、足下のレーザーセンサーや超音波センサーで周囲を監視しており、何かに衝突しそうなときは自動的に停止する安全機能もある。

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Pepperの頭部。耳にスピーカ、頭にマイクが入っている

 その他、胸の前にはタブレットを搭載しており、ユーザーインタフェースとして活用できる。動画や静止画を表示するなど、さまざまな使い方が可能だ。

 Pepperを制御しているのはミドルウェアの「NAOqi」だ。あらかじめアプリケーションの起動条件を設定しておくことで、自律的な動作をさせることもできるし、外部PCから直接APIを呼び出して、リモートブレインで動かすことも可能。なおPepperのCPUとしては、Intelの「Atom Z530」(1.6GHz)が搭載されている。

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