製造現場での部品のピッキング作業を効率化するソフトウェア:製造ITニュース
富士通は、部品のピッキング作業を効率化するソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Service ストアピッキング」を発売した。混流生産に対応し、作業の待ち時間やピッキングミスの削減に貢献する。
富士通は2017年11月29日、部品のピッキング作業を効率化するソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Service ストアピッキング(ストアピッキング)」を発売した。インストールCD、5台分のインストール許諾権、サポートサービスを基本構成でとし、価格は47万円(税別)。同社では、2019年度末までの販売目標を60社としている。
ストアピッキングは、製品の組み立て順に応じて、デジタルで部品のピッキング指示をするソフトウェア。事前に作業指示をCSVファイル形式で作成して業務システム内に保持し、同製品をインストールしたタブレットを部品を載せるカートに装着する。作業者は、無線LAN経由でタブレットに表示された指示データを見て、必要な部品がどの棚にあるかを把握できる。ピッキング指示は組み立ての順番に応じて任意に設定でき、画面に表示される順に部品をピッキングして組み立てラインへ流すだけで、適切に部品供給ができる。
また、複数製品のピッキング指示を組み立て工程ごとに作成すれば、1つのラインで複数の製品を組み立てる混流生産にも対応できる。これにより、組み立て工程での作業待ち時間の削減につながる。
RFIDリーダーによるピッキングにも対応し、部品棚にRFIDタグを搭載したカードを設置することで、電源や配線がなくても各部品の所在を示すことができる。腕に装着するウェアラブル端末で部品棚のカードを読み取れば、両手を使ったスムーズな部品のピッキングが可能だ。誤った部品をピッキングすると、ウェアラブル端末のバイブレーションや警告音、タブレット画面の点滅で作業者に通知する。
ピッキング指示画面に表示する項目名称やメッセージは、テキストファイル形式で外部辞書として登録できるため、標準の画面項目名称を実際に業務で使用している用語に簡単に置き換えられる。外部辞書はタブレットごとに保持するため、作業者ごとに画面項目名称を変更することもできる。
ストアピッキングは、混流生産体制を取っている島根富士通での生産性改善の取り組みで培われたノウハウやアプリケーション群をパッケージ化したものだ。同社では独自の技術でピッキング作業をデジタル化する仕組みを開発し、約2年間、社内で実践したところ、ピッキング作業や組み立てラインへの部品供給におけるミスを約70%、ピッキング作業工数の約15%を削減できた。
今後、2次元バーコードへの対応、工程管理および倉庫管理システムとの連携インタフェースを実装するなど機能充実を図る。さらに、ソフトウェアの汎用性を高め、製造業の他に集荷や配膳業務など、各種の現場でのピッキング作業に対応していく。
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