富士通がモノづくりデジタルプレースをアピール、「on COLMINA」でつなぐ:DMS2017
富士通は、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」において、設計から製造、保守までモノづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームとなるモノづくりデジタルプレース「COLMINA(コルミナ)」をアピールした。
富士通は、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)において、設計から製造、保守までモノづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームとなるモノづくりデジタルプレース「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(以下、コルミナ)」をアピールした。
同年5月に発表されたコルミナは、製造業向けの多種多様な業務サービス群「コルミナサービス」、作業員のバイタルや製造物の位置などのセンサー情報、設備機器の稼働情報を収集/処理する「コルミナエッジ」、コルミナサービスとコルミナエッジを連携させる情報基盤としての「コルミナプラットフォーム」などから構成されている(関連記事:サプライチェーンを丸ごと支えるデジタル基盤、中小は年20万から利用可能)。
展示では、コルミナにつなげていくさまざまシステムやサービスを1つのコーナーにまとめて、「見える化 on COLMINA」「設計 on COLMINA」「検証 on COLMINA」「生産現場 on COLMINA」「生産管理 on COLMINA」などとしてイメージしやすくしていた。
コーナーの中心にあった「見える化 on COLMINA」では、コルミナで最も重要な役割を果たすであろう、見える化を担うダッシュボード画面を表示していた。工場の稼働状況をはじめ、品質/生産/エネルギー/設備などについてもそれぞれの管理画面に移行できる。
「設計 on COLMINA」では、VR(仮想現実)やAI(人工知能)を用いた仮想検証により、製品開発における開発スピード・品質のさらなる向上を目指す「仮想大部屋+ものづくりAI」、PDMツール「PLEMIA」を展示。「検証 on COLMINA」では、3次元モデルと写真による製造物診断ソリューション「3D重畳 設計製造物診断」(関連記事:その製造部材は設計データ通り? 富士通がAR技術で診断時間を10分の1に短縮)を披露した。
「生産現場 on COLMINA」「生産管理 on COLMINA」では、国内でノートPCを生産する島根富士通におけるピッキングのノウハウを生かした「ストアピッキング」、SAPのMESツール「SAP ME/MII」、工場の製造設備から収集される稼働実績のログデータをもとに製造工程の稼働状況を可視化するIoTソリューション「VisuaLine(ビジュアライン)」などを展開していた。
「富士通が展開しているさまざまなモノづくりソリューションは、今後コルミナと連携できるようにする。今回同じコーナーには置いていないが、3D CADツールの『iCAD』や生産準備ツール『VPS』などもそうだ」(同社の説明員)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- サプライチェーンを丸ごと支えるデジタル基盤、中小は年20万から利用可能
富士通は、モノづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームを開発し、新たに展開を進めていく。自社内の設計から製造、保守を一貫してつなぐだけではなく、サプライチェーンにおける他企業との接続も可能とする。 - 「日本版インダストリー4.0」のハブに! 富士通が次世代モノづくり戦略を発表
富士通は「次世代モノづくり」実現に向けた新たなビジョンと、それに対する新サービスの提供を発表した。富士通では2012年から「ものづくり革新隊」として、製造業として自社のノウハウと、提供するICTを組み合わせた製造業支援サービスを展開しており、今回はその流れをさらに拡大するものとなる。 - 富士通のPC工場、勝利の方程式は「トヨタ生産方式+ICT活用」
コモディティ化が進むPCで大規模な国内生産を続ける企業がある。富士通のPC生産拠点である島根富士通だ。同社ではトヨタ生産方式を基にした独自の生産方式「富士通生産方式」を確立し、効率的な多品種少量生産を実現しているという。独自のモノづくりを発展させる島根富士通を小寺信良氏が訪問した。 - モノを作らないモノづくりが進化、設計変更に柔軟対応
富士通は、デジタル生産準備ツール「VPS」の新バージョンを発表。設計変更などモノづくりの柔軟性に対応する機能を強化し、2020年度までに約50億円の売上高を目指す。 - その製造部材は設計データ通り? 富士通がAR技術で診断時間を10分の1に短縮
富士通は、3次元設計図と製造部材写真の差異を可視化するPLMソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution 3D重畳 設計製造物診断」を発表。3次元設計図と製造部材の写真データの重畳によって行う一部材当たりの診断時間は、従来比10分の1となる数分で完了する。これにより大型構造物の部材の全数診断も可能になるという。