サプライチェーンを丸ごと支えるデジタル基盤、中小は年20万から利用可能:製造業IoT(1/2 ページ)
富士通は、モノづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームを開発し、新たに展開を進めていく。自社内の設計から製造、保守を一貫してつなぐだけではなく、サプライチェーンにおける他企業との接続も可能とする。
富士通は2017年5月9日、設計から製造、保守までモノづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームとして、モノづくりデジタルプレース「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(以下、コルミナ)」を発表した。2020年度にコルミナ関連ビジネスで2000億円の売上高を目指すとしている。
日本の製造業が求める9つのポイント
富士通ではもともと、自らが製造業としてノウハウを蓄積しながら、iCADなど製造業関連のアプリケーションを30年にわたって展開。現在までに1万社以上が富士通のソリューションを使っている状態だという。しかし、「最近ではわれわれに対する相談も1つ1つの工程に関するソフトウェアの相談ではなく、設計から製造、保守・保全を含めた工場全体や会社全体を横断するような話が増えてきている」と富士通 執行役員 産業ビジネス本部長 藤原克己氏は述べる。
さらに、同社の顧客700社を調査したところ、日本の製造業のデジタル革新ニーズは主に9つのポイントにしぼられるという。「これらを実現するためには、新たに情報連携を実現できる基盤が必要になる。そういうモノづくり基盤として新たに『コルミナ』をリリースする」(藤原氏)。
主に4つの要素で構成される「コルミナ」
富士通が新たに展開する「コルミナ」は複数のツールやサービスで構成されるモノづくりプラットフォームで、主に製造業向けの多種多様な業務サービス群「コルミナサービス」、作業員のバイタルや製造物の位置などのセンサー情報、設備機器の稼働情報を収集・処理する「コルミナエッジ」、コルミナサービスとコルミナエッジを連携させる情報基盤としての「コルミナプラットフォーム」などで構成される。
さらに、企業や人材などのマッチングなど、オープンイノベーションやコラボレーションの場なども提供していく方針だ。ちなみに「COLMINA」は「COLlaborative Monozukuri INnovation Agent」の頭文字で作った造語である。
製造業向けアプリケーション「コルミナサービス」
「コルミナサービス」は、設計や製造、保守系のアプリケーションをサービスとして提供していく仕組みである。製造業のサプライチェーンの全体像を視野に入れたアプリケーションの提供を進めていく計画である。まず2017年7月以降に富士通のサービス25種を「コルミナサービス」として提供する予定。順次サービス数を拡大し、現状では150種類まで増やす計画があるという。これらは自社サービスだが、他社とも提携し、CADやPLM、MESなど他社アプリケーションも徐々に対応していく。
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