スマートグラスでピッキング時間を半減、コニカミノルタが日立物流子会社と提案:CEATEC 2017
コニカミノルタは、「CEATEC JAPAN 2017」、スマートグラス「WCc」の物流業界への適用事例を紹介した。日立物流の子会社である日立物流ソフトウェアと共同開発したソリューションにより、物流業界への提案活動を強化していく考え。
コニカミノルタは、「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、幕張メッセ)において、スマートグラス「WCc(ウェアラブルコミュニケーター)」の物流業界への適用事例を紹介した。日立物流の子会社である日立物流ソフトウェアと共同開発したソリューションにより、物流業界への提案活動を強化していく考え。
WCcは、2.5m先に42インチ相当の大画面表示を行えるホログラフィックディスプレイを用いた、シースルータイプのスマートグラスだ。片眼への画像表示を行うホログラフィックディスプレイは、外光透過率が80%以上で、実景の視認性を妨げないことが特徴。頭に装着するグラス部の重量も35gと軽量である。電池はグラス部と接続するコントローラーに組み込んでおり、8時間の連続使用が可能だ(バッテリーのホットスワップ機能を使えば8時間以上の連続稼働も可能)。
展示では、WCcを物流のピッキング作業に活用した場合に、作業時間を半減できる事例を紹介した。従来は、紙で印刷したリストと照合しながら行うリストピッキングが一般的だったが、無線LANと連携できるWCcを使えば基幹業務システムの情報を表示できるので、リストを持つ手がフリーになり、作業時間を大幅に短縮できる。また、初心者でもベテランと同等レベルの作業を行える効果もあるという。
「スマートグラスの活用先として工場などの製造現場も有力な候補だ。しかし日本の場合、日々の改善が徹底していることもあって効果を出しづらいことも多い。そこで、製造現場での活用は先に欧州で進めることになり、日本では物流現場での活用が先行することになった」(コニカミノルタの説明員)という。
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