自動化難易度が意外に高いピッキング、プロジェクターで簡単支援:スマート工場EXPO
アイオイ・システムは「SFE2017」において、プロジェクターとセンサーを組み合わせて、ピッキングのミスを防ぐ「プロジェクションピッキングシステム」を出展。ランプなどを設置できないエリアでも作業支援を行える価値を訴えた。
アイオイ・システムは、「第1回スマート工場EXPO(SFE2017)」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、ピッキングのミスを防ぐ「プロジェクションピッキングシステム」を出展。ランプなどを設置できないエリアでも作業支援を行える価値を訴えた。
人に残された作業「ピッキング」
工場や物流拠点などでは、IoT(モノのインターネット)やロボット活用などにより自動化領域を拡大する動きが加速しているが、現実的には多くの工程でまだまだ人手の作業が残されている。その典型例の1つがピッキングである。さまざまなものをつかんで分類したり、正しく配置したりする作業は、ハードウェアとしてもソフトウェアとしても柔軟性の高い人間には簡単だが、ロボットなどには非常に難しい作業になるためである。
アイオイ・システムが提案しているのは、自動化の手前で、ピッキングを行う人の作業を支援し、負担を軽減しようというものである。同社はもともと、ピッキングのミスを無くすための表示灯などを展開していた企業である。ただ、作業スペースや作業で扱うモノなどの関係で、表示灯を配置できない環境も多い。こうした状況を解決するために開発したのが、プロジェクターとカメラ、マーカーなどを使って作業支援を行う「プロジェクションピッキングシステム」である。
調剤や細かい部品管理をイメージしたピッキングシステムでは、上部からプロジェクターで棚のすき間部分に作業指示を表示する。ピッキングスペースの両サイドにはカメラを設置。各引き出しの両サイドに2次元バーコードを貼り付けており、間違った引き出しを開けるとカメラが読み取り、ミスを指摘するという仕組みである。
アイオイ・システム 営業部 広報担当の島倉正博氏は「医薬や調剤などの領域や、小型部品を取り扱う領域などで引き合いは非常に高い。配線なども表示機を使う場合よりもシンプル化でき、配置スペースを選ばない点もメリットだ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット大賞、ティーチレスでばら積みピッキングできるコントローラーが受賞
経済産業省と日本機械工業連合会が主催する「第7回ロボット大賞」の結果が発表。経済産業大臣賞は、MUJINの「完全ティーチレス/ばら積みピッキングMUJINコントローラー『PickWorker』」が受賞した。 - ばら積みロボットピッキングが可能に! 透明部品も読み取る3次元ビジョンセンサー
次世代を狙うベンチャー企業とのビジネスマッチングを行う展示会「NEDOロボットベンチャーショー」が開催。三次元メディアは、輪郭とともに点群での計測を加えることでばら積み部品のロボットによるピッキングが可能な、3次元ビジョンセンサーによるソリューションを提案した。 - キヤノンが“ばら積みピッキング”の次に狙うのは“ロボットアームの目”
キヤノンは「Canon EXPO 2015 Tokyo」において、2014年に新規参入したマシンビジョンの新たな技術展示などを行った。 - モニターさえあれば簡単に組み立て生産が可能に! リコーの作業指示用カメラ
リコーは「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」(会期:2015年6月24〜26日)に出展し、カメラだけで生産の作業指示が行える「ALL IN ONE 作業指示システム」を参考出品した。 - MUJIN、リアルタイム動作生成機能搭載のばら積みピッキング知能システム発売
ビジョンシステムによって取得されたワークピースの位置姿勢情報を基に、モーションコントローラがワークピースを取り出すための動作を生成。事前ティーチング(教示作業)が必要ないシステムとなっている。 - スマートグラスで製造現場の作業を支援! 富士電機が描く先進現場
富士電機は、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において「現場とつながる、ものづくりイノベーション」をテーマに、設備稼働率の最大化やエネルギーの最適化、生産性の向上に貢献する製品を展示した。