ばら積みロボットピッキングが可能に! 透明部品も読み取る3次元ビジョンセンサー:NEDOロボットベンチャーショー
次世代を狙うベンチャー企業とのビジネスマッチングを行う展示会「NEDOロボットベンチャーショー」が開催。三次元メディアは、輪郭とともに点群での計測を加えることでばら積み部品のロボットによるピッキングが可能な、3次元ビジョンセンサーによるソリューションを提案した。
次世代を狙うベンチャー企業とのビジネスマッチングを行う展示会「NEDOロボットベンチャーショー」が2014年9月24日、都内で開催された。同イベントで、三次元メディアは、輪郭とともに点群での計測を加えることでばら積み部品のロボットによるピッキングが可能な、3次元ビジョンセンサーによるソリューションを提案した。
三次元メディアは2000年に設立された3次元物体認識技術のベンチャー企業。立命館大学の研究成果をベースに、3次元ロボットビジョンセンサー「TVSシリーズ」を開発し、自動車メーカーや食品メーカーの生産ラインなどに展開を進めてきた。
同社の技術の中心となるのが、部品などの3次元での立体認識技術だ。従来は3次元CADから作成したデータとステレオカメラで撮像した輪郭を照合する「輪郭マッチング」技術を核としてきたが新たに新バージョンの「TVS 3.0 シリーズ」を投入。輪郭マッチング技術に加えて、プロジェクタを利用した点群計測も組み合わせることで、より高精度な3次元画像認識を実現した。
「TVS 3.0 シリーズ」のシステム構成は、カメラ4台にプロジェクタを加えたもの。プロジェクタによるラインパターンの投影を行い、メッシュの状況により面の点群情報を把握。従来の輪郭マッチング手法と組み合わせることで、高精度で安定した認識が可能となったという。従来のビジョンセンサーでは認識が難しかった透明部品や、鏡面反射がある部品、黒色の部品でも「高い認識率を実現している」と同社マーケティング部長の宇野昌紀氏は語る。
「従来の輪郭のみのマッチングでは、部品の状態などによっては正しく認識できない場合があった。プロジェクタによるパターン投影で点群計測を行うことにより、面情報を取得しより高い精度で認識が行えるようになった。ばら積みの部品から問題なくロボットでのピッキングが行えるようになる」と宇野氏は語る。
価格はプロジェクタやカメラ、アルゴリズムなどの一式で約500万円。ロボットなどを含めてそのまま使えるようにインテグレーションした場合は一式で1500〜2000万円程度になるという。
宇野氏は「ビジョンセンサーはロボット企業にひも付けされるケースも多いが、当社のソリューションは主要企業のロボット全てに対応できることが特徴。ロボットを入れ替えたとしてもビジョンセンサーの仕組みは継続的に利用できる」と強みを訴えている。
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